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Earthbound/King Crimson(1972)

JUGEMテーマ:音楽

プログレというと、どうしてもKing Crimsonになってしまうんですよね…。
2015年第13週の通勤BGMは、King Crimsonの『Earthbound』を聴きました。

King Crimson初のライヴ・アルバムとなった本作ですが、CD時代になっても、なかなかCD化されませんでした。初めてCD化されたのは、30年経った2002年になってからです。
1972年2月のアメリカ・ツアーを録音したもので、オリジナルはイギリスのみで発売されました。

ステレオ・カセットによる録音で、とにかく音質の悪さが際立つ本作ですが、ライヴ・アルバムといいながら、スタジオで手を加えてしまうのが当たり前のロック界において、ブートレグさながらの臨場感、緊張感のあるアルバムです。

このライヴ時のメンバーは、Pete Sinfieldは脱退していますが、『Islands』発表時のメンバーなのですが、『Islands』がCrimsonのアルバムの中でも最もピースフルなアルバムだっただけに、冒頭に収録された「21st Century Schizoid Man」での、Boz Burrellの絶叫と、メンバーのへヴィな演奏には度肝を抜かれたファンも多いかもしれません。

収録曲は、代表曲「21st Century Schizoid Man」をはじめとして、『Islands』収録の「The Sailors Tale」や未発表曲の「Peoria」など、たった5曲の収録ながらバラエティに富んでいますが、ジャズ的なインプロビゼーションに溢れた演奏内容です。
単にジャズっぽいだけでなく、正にへヴィな演奏で、『Larks' Tongues In Aspic』以降のメタルCrimsonへの布石にも思えます。

このアルバム発表後、Mel Collins、Boz Burrell、Ian WallaceのRobert Frippを除いたメンバーはバンドを脱退します。

 
キング・クリムゾン
WHDエンタテインメント
【ディスク1】
  1. 21世紀のスキッツォイド・マン
  2. ペオリア
  3. 船乗りの話
  4. アースバウンド
  5. グルーン

Macchi * プログレッシヴ・ロック * 16:28 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

Spyglass Guest/Greenslade(1974)

JUGEMテーマ:音楽
2015年第5週の帰宅BGMは、Greensladeのサードアルバム『Spyglass Guest』を聴きました。

Greensladeは、元ColosseumのDave Greenslade、Tony Reeves、元SamuraiのDave Lawson、そしてKing Crimsonの『Lizard』でドラムを叩いていたAndrew McCullochの4人によって結成された、ギターレス、ツインキーボード編成の、イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドで、1973年にデヴューアルバムを発表しています。

僕は、Greensladeのアルバムを聴くのは今回が初めてなのですが、今回聴いたサードアルバムは、上記4人のメンバーに加えて、Clem Clempson、Andy Roberts、Graham Smithという、ギターやヴァイオリンのゲストミュージシャンを加えています。

プログレッシヴ・ロックというと、1曲1曲が長時間、なおかつ難解で取っつきにくいイメージがありますが、このアルバムでは、2曲目「Little Red Fry-Up」のように、ヴォーカル主体の曲で、意表を突くニューウェイブ的な香りも漂う曲があったり、「Red Light」のようなポップな曲があったりと、意外感があります。

一方で、このアルバムの冒頭の曲「Spirit Of The Dance」のように、コンパクトにまとめられているけれども、クラシカルで親しみやすい1曲があったり、春を思わせるような暖かい「Siam Seesaw」のような曲や、「Melancholic Race」のように緊張感のある曲展開をする曲など、プログレ・ファンの期待を裏切らない曲もあります。
Graham Smithのヴァイオリンをフィーチャーした「Joie De Vivre」は、このアルバムの発表と同じ年にメジャー・デヴューしたアメリカのKansasに大きな影響を与えたのでは?と思えなくもありません。

最後の曲は、アメリカのハード・ロック・バンドMountainもセカンドアルバムに収録した、Jack Bruce作の「Theme For An Imaginary Western」も収録。

一般的に彼等のアルバムは、セカンドアルバムまでが代表的な作品らしいのですが、初めて彼等のアルバムを聴いた僕にとって、今回聴いたサードアルバムは、アルバムのコンセプト感を重視するプログレッシヴ・ロック的な視点から見れば、今一つ統一感に欠けるようなアルバムですが、個別の曲の出来は、そんなに落胆するような内容ではないと思うのですが…。

 
GREENSLADE - グリーンスレイド
Arcangelo
【ディスク1】
  1. Sprit Of The Dance スピリット・オブ・ザ・ダンス
  2. Little Red Fry-Up リトル・レッド・フライ・アップ
  3. Rainbow レインボウ
  4. Siam Seesaw シャム・シーソー
  5. Joie De Vivre 生命の歓喜
  6. Red Light レッド・ライト
  7. Melancholic Race メランコリック・レース
  8. Theme For An Imaginary western 想像されたウエスタンのテーマ

Macchi * プログレッシヴ・ロック * 16:49 * comments(2) * trackbacks(0) * pookmark

Metamorpheus/Steve Hacket & The Underworld Orchestra(2005)

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2014年第44週の帰宅BGMは、元GenesisのギタリストSteve Hacketが、オーケストラと共演したクラシック・アルバム『Metamorpheus』を聴きました。

元Genesisと書いていますが、彼がGenesisを脱退したのは1977年なので、ソロギタリストとしてのキャリアの方が長いので、一人のギタリストとして今は認知すべきでしょうね。

僕自身は、恥ずかしながらGenesisや、Peter Gabriel、Phil Collinsの名前は知っているものの、彼等のアルバムは一枚も聴いた事がないんですよね。
Steve Hacketも記憶があやふやで、レンタルで何かのアルバムを聴いたと思うのですが、ちゃんとアルバムを買って聴いたのは、今回が初めてです。と書きながら、彼のライヴは、プログレ・フェスでしっかり観ているんですけどね(苦笑)。

今回聴いたアルバムは、1997年の『A Midsummer Night's Dream』に続く、クラシック・ギターとオーケストラとの共演アルバムで、『A Midsummer Night's Dream』がシェイクスピアの作品などを題材にしていたのに対し、本作では、ギリシャ神話を題材にした作品だそうです。

ロック、ましてやプログレとなると、とかくうんちくを語りたくなる傾向にありますが、(僕がSteve Hacketに関する知識をほとんど持ち合わせていないという事もありますが)今回のアルバムは黙って静かに目を閉じて耳を傾けたい、そんなアルバムです。
アルバムの趣旨とは全く関係ありませんが、寒くなり、クリスマスも近いこんな時期だからこそ、暖かい部屋で聴きたいアルバムです。

ロックはちょっと…というクラシックファンにも聴いて頂きたいアルバムです。

スティーヴ・ハケット
WHDエンタテインメント
【ディスク1】
  1. The Pool Of Memory And The Pool Of Forgetfulness
  2. To Earth Like Rain
  3. Song To Nature
  4. One Real Flower
  5. The Dancing Ground
  6. That Vast Life
  7. Eurydice Taken
  8. Charon’s Call
  9. Cerberus At Peace
  10. Under The World - Orpheus Looks Back
  11. The Broken Lyre
  12. Severance
  13. Elegy
  14. Return To The Realm Of Eternal Renewal
  15. Lyra

Macchi * プログレッシヴ・ロック * 11:51 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

Thrak/King Crimson(1995)

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2014年第33週の帰宅BGMは、King Crimsonの『Thrak』を聴きました。

90年代に入って、再々結成したKing Crimsonは、まず1994年に『Vroom』という6曲入りミニ・アルバムを発表しますが、これについては以前記事にしました。
今回聴いた『Thrak』は、『Vroom』に収録されていた曲数曲を含む、その翌年に発表されたフル・アルバムです。

90年代型のメタル・クリムゾンは、『Red』など70年代型メタル・クリムゾンの再来として非常に話題を呼びましたが、中心メンバーのRobert Frippが言うように、単なる70年代型メタル・クリムゾンの再演ではなく、90年代のテクノロジーをまとって再現したところがポイントです。
確かに「VROOOM」や「THRAK」のように、2本のギター、2本のベース(スティック)、2つのドラムと、「ダブル・トリオ」による複雑なサウンド、リズム構成によるへヴィなサウンドは、70年代の『Red』を彷彿させますが、70年代のメタル・クリムゾンがその圧倒的な音圧により聴く者を打ちのめしたのに比べると、これは録音技術の進歩によるところが大きいのだと思いますが、格段に音質や音離れが良くなり、妙に小綺麗になって今一つ迫力に欠けるきらいがあるように思います。

僕個人としては、むしろAdrian Belewがヴォーカルを執る曲「Dinosaur」や「Sex Sleep Eat Drink Dream」の方が、狂気に満ちていて、またサイケともニューウェイブともいえない、そのへヴィなサウンドにも惹かれます。
また、同じくBelewがヴォーカルを執る「Walking On Air」や「Inner Garden I」、「One Time」などは、「Dinosaur」や「THRAK」といったへヴィな曲の後に、怪しく甘美な魅力を放っているところも聴き所です。

King Crimsonはプログレッシヴ・ロック・バンドですが、このアルバムでは「People」も然り、むしろヴォーカル・バンドとしての魅力を強く感じてしまうのです。

King Crimson
Virgin Records Us
【ディスク1】
  1. Vrooom
  2. Coda: Marine 475
  3. Dinosaur
  4. Walking On Air
  5. B'Boom
  6. Thrak
  7. Inner Garden I
  8. People
  9. Radio I
  10. One Time
  11. Radio II
  12. Inner Garden II
  13. Sex Sleep Eat Drink Dream
  14. Vrooom Vrooom
  15. Vrooom Vrooom: Coda

Macchi * プログレッシヴ・ロック * 15:36 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

Talk/Yes(1994)

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2014年第29週の帰宅BGMは、Yesの『Talk』を聴きました。

1970年代前半に全盛期を迎えたプログレッシヴ・ロックは、70年代後半にはその人気や活動に陰りが見え始め、1980年に入って、YesやEL&Pと人気の中核を担ったプログレッシヴ・ロック・バンドは解散してしまいます(King Crimsonは70年代半ばに、Pink Floydは80年代半ばに一旦活動を終えていますが…)。
一方で、一旦は活動を終えたプログレッシヴ・ロック・バンドでしたが、80年代に各々活動の再開もしています。
King Crimsonは1981年に、Pink Floydは1987年に活動を再開し、今回聴いたYesは、1983年に再結成が実現するのですが、それぞれのバンドがそのバンドの流儀で音楽新時代に対応していく中で、Yesこそ、80年代の音楽に対応し、商業的な成功を収めたバンドの一つでしょう。

Trevor Rabinという若いギタリストを迎え、1983年に再結成したYesは、アルバム『90125』に収録されたシングル「Owner Of A Lonely Heart」で全米1位を記録する大成功を収めます。
85年にはライヴ盤、87年には『Big Generator』とアルバムを発表したYesでしたが、ヴォーカルのJon Andersonが、バンドの商業路線に不満を抱き、バンドを脱退してしまい、70年代黄金期Yesの元メンバーだったBill Brudford、Rick Wakeman、Steve Howeと共にアルバムを1989年に発表した事は、2011年4月3日の記事にしました。
結局、Andersonが抜けたYesと、Andersonが元仲間と活動を始めた70年代黄金期Yes組が大同団結し、1991年に『Union』というアルバムを発表し、その後ツアーを行うのですが、ツアー後バンドはレーベルを移籍し、紆余曲折を経て『90125』時代のメンバーで発表されたのが、今回聴いた『Talk』です。

83年に活動を再開したYes(俗に『90125』という)は、新しく加わったTrevor Rabinのカラーが強く、コンパクトでポップかつメロディアス、ハード・ロック的、そしてニューウェイブにも対応した音楽性が特色で、大作主義的な70年代Yesとは趣が異なります。
今回聴いた『Talk』も、トロピカルな「I Am Waiting」やラテン調の「Where Will You Be」。ハード・ロック調の「State Of Play」、ポップな「Walls」など、その路線は変わっていません。
しかし、個別の曲はそこそこコンパクトにまとまってはいますが、どの曲も5分から8分近い曲ばかりで、ドラマチックな曲展開をする曲もあるなど、それぞれ聴き応えのある内容となっていて、捨て曲は1曲もありません。
最後の曲「Endless Dream」は、3部構成から成る17分を超える、ハード・ロック調ではありますが、これぞプログレッシヴ・ロックという楽曲。

二人の共作曲が大半を占めるなど、Trevor Rabinの方向性とJon Andersonの音楽性を融合させた内容で、80年代以降の音楽に対応しつつも、旧来のプログレッシヴ・ロック的な要素も盛り込んだ意欲的な作品だと思うのですが、アルバムの売れ行きは思わしくなく、アルバム発売に伴うツアーも振るわなかったそうです。
結局、かねてからAndersonと確執のあったRabinはバンドを脱退します(『Union』ツアーで、Rick Wakemanと比べると、力量不足で見劣りのしたTony Kayeも脱退)。

僕が買った『Talk』は、ブックオフの500円棚にあったのを入手したものですが、500円では安過ぎるくらいの、力作だと思います。

イエス
ビクターエンタテインメント
【ディスク1】
  1. コーリング
  2. アイ・アム・ウェイティング
  3. リアル・ラヴ
  4. ステイト・オブ・プレイ
  5. ウォールズ
  6. ホェア・ウィル・ユー・ビー
  7. エンドレス・ドリーム:サイレント・スプリング~トーク~エンドレス・ドリーム
  8. コーリング(スペシャル・ヴァージョン)

Macchi * プログレッシヴ・ロック * 17:16 * comments(2) * trackbacks(0) * pookmark

Red/King Crimson(1974)

JUGEMテーマ:音楽

6月に入りましたが、仕事でなかなか思うように事も進まず、またこれから嫌だなぁという事も始まり、こいつを聴きたい気分に…。
2014年第21週の通勤BGMは、King Crimsonの1970年代最後のスタジオ録音アルバム『Red』を聴きました。

今回聴いた『Red』は、実は昨年末に、年末年始の休み中に聴こうと買ってみたものの聴く事が出来なかった「40周年記念2CDエディション」を聴きました。
僕自身、これで3枚目の『Red』ですが、やはり好きですねぇ、このアルバム。既に持っているのに、新しいリマスター盤が出るというのを知って、つい買ってしまいました。
今回聴いた「40周年記念2CDエディション」は、2013年ステレオ・ミックス音源を収録したCDと、オリジナル・ステレオ・ミックス音源(30周年リマスター・ヴァージョン)を収録したCDの2枚がセットになった盤なのですが、注目は2013年ステレオ・ミックス音源のようです。
正直、1960、70年代の古い音源を、どこまでリマスター出来るのか、自分にはよく分からないんですけどね(苦笑)。

僕は、値段が国内版よりも安かったので、輸入(UK?)盤を買いました。
国内盤ではDisc1に2013年ステレオ・ミックス音源を、Disc2にオリジナル・ステレオ・ミックス音源を収録しているのですが、この輸入盤は、パッケージによると収録音源が、Disc1にオリジナル・ステレオ・ミックス音源(30周年リマスター・ヴァージョン)を、Disc2に2013年ステレオ・ミックス音源を収録していると書かれています。
CDの表の印字もパッケージ同様に印字されていて、パッケージ、CDの印字通り、注目の2013年ステレオ・ミックス音源が収録されているDisc2を、通勤BGMとして聴いてきたのですが、どうも国内盤との違いに釈然としないものがありました。
実は、昨年の『レコード・コレクターズ』11月号では、このCDと同時に発売された『40thアニバーサリー・ボックス』の特集を組んでいるのですが、その特集では、この「40周年記念2CDエディション」では、国内盤CDの収録音源は上記のように1枚目に2013年音源、2枚目にオリジナル・ミックスを収録していると書かれているのですが、この特集が組まれた号の広告ページでは、僕が聴いた輸入盤の収録順と同じなんですよね。
何が何だか分からなくなります。

今回この記事を書くにあたって、通勤では聴かなかったDisc1を聴いたのですが、この輸入盤のパッケージと、CDの印字、やはり間違っていますね。
通勤でDisc2を聴いて、そんなにこれまでと違うか?と思っていたのですが、今Disc1をPCで聴いていて、音圧や各楽器の聴こえ方など、明らかに違いますね…(汗)。収録されているボーナストラックも違うのだから、さっさと気付け!という感じなのですが(苦笑)。
レココレの記事通り、輸入盤もDisc1に2013年ステレオ・ミックス音源を、Disc2にオリジナル・ステレオ・ミックス音源を収録というのが正しいようです。
しかし、誤表記はいかんようなぁ…。

そんな間違いに今更気付いた『Red』ですが、今聴くと少々チープ感を感じてしまうメロディではありますが、レッドゾーンを振り切ったメーターを象徴するかのように、聴く者を音圧で圧倒するアルバムタイトル曲「Red」。
どうしようもない人間の性を感じさせる「Fallen Angel」。
そして終末感すら感じさせる「Starless」と、『Red』こそ、僕にとって一番の推し盤です。

その後Crimsonは、「ヌオヴォ・メタル」を標榜して、70年代のメタルCriomsonの復活を想起させる活動を90年代に開始し、90年代は90年代なりの現代に潜む狂気を音楽で再現しますが、この『Red』で再現された限界感、緊張感の到達は、この時期、この瞬間でしか得られなかったもので、やはりロック史に残る名盤ですね。

せっかくのリマスター音源をmp3に圧縮してしまう事自体罰当たりなのですが、とりあえず、記事にはしませんが、来週は最初の日だけ、行きに2013年ステレオ・ミックス音源を、帰りにオリジナル・ミックス音源を聴いて、聴き比べてみますね(苦笑)。

キング・クリムゾン
WHDエンタテインメント
【ディスク1】
  1. レッド
  2. 堕落天使
  3. 再び赤い悪夢
  4. 神の導き
  5. スターレス
  6. 神の導き (ボーナス・トラック)
  7. スターレス (ライブ)
【ディスク2】
  1. レッド
  2. 堕落天使
  3. 再び赤い悪夢
  4. 神の導き
  5. スターレス
  6. 神の導き (ボーナス・トラック)
  7. スターレス (ライブ)

Macchi * プログレッシヴ・ロック * 22:43 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

Starless And Bible Black/King Crimson(1974)

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2014年第18週の帰宅BGMは、King Crimsonの通算7枚目のアルバム『Starless And Bible Black』を聴きました。

前作『Larks' Tongues In Aspic』から、オリジナルナンバーのRobert Frippに加えて、John Wetton、Bill Bruford、David Cross、Jamie Muirという最強編成で再スタートを切ったKing Crimson。
Jamie Muirは、1973年3月の『Larks' Tongues In Aspic』発表を目前にしてバンドを離脱しましたが、バンドは4人編成のままツアーを敢行します。
このアルバムは、そんなツアー後の74年3月に発表されたアルバムです。

堰を切った水のごとく溢れ出るサックスのプレイが印象的な冒頭の曲「The Great Deceiver」。フリージャズ調の曲で、混沌とした世界を表しているかのようであり、少々滑稽な感もある曲です。歌詞も皮肉交じりのようにも思えます。
続く「Lament」は、冒頭の部分こそ穏やかなバラード曲のようですが、途中で曲調は一変。へヴィなサウンドへ転調し、最後は混乱に歯止めが効かなくなる一歩手前で、曲は終わります。
この「Lament」までと4曲目「The Night Watch」がスタジオ録音。残りは、スタジオ録音かと勘違いしてしまうかのようなライヴ録音です。

3曲目「Well' Let You Know」はインスト曲。各自のプレイは大人しいですが、何かが起こる前兆のような不気味な予感をさせる曲です。

前出の4曲目「The Night Watch」は、前作『Larks' Tongues In Aspic』に収録されている「Larks' Tongues In Aspic, Part One」と「Book Of Saturday」をプラスして2で割ったような曲です。「Well' Let You Know」で「何か」を予感(期待?)させながら、この穏やかな楽曲はある意味拍子抜けしてしまう人もいるかもしれませんが、いきなりドカンとやられるよりも、ここで一息入れるのもいいのかもしれません。「Larks' Tongues In Aspic, Part One」は、バリだとか東南アジアを想起させるサウンドでしたが、この曲は何やら中国を想起させるサウンドです。アジアっぽいサウンドが続きますが、次作『Red』の「Starless」もそうですが、この曲は人間の業の深さを感じさせます。
続く「Trio」も、David Crossのヴァイオリンとフルートのような笛をフィーチャーした中国音楽っぽい曲調で、この曲でもまだまだ一息つけます。

6曲目「The Mincer」。ホラー映画の劇中曲かと思わせるこの曲は、地を這うへヴィなFrippのギターが印象的です。
続くアルバムタイトル曲の「Starless And Bible Black」。この曲のタイトルは、詩人ディラン・トーマスの詩の一節から取られたもので、この一節は次作『Red』の「Starless」でも使われます。劇的な展開は起きませんが、水面下で何かが着々と進行していくかのような楽曲です。
そして最後の「Fracture」で閉幕。大爆発とまではいきませんが、これまで溜めていたものが、この曲で吹き出すかのように、これまでの静の展開から動の展開へと移ります。

前作『Larks' Tongues In Aspic』と次作『Red』の間に挟まれて、存在感の薄いアルバムですが、両アルバムを繋ぐ、『Red』の前哨戦のようなアルバムで、興味深いアルバムなのです。

キング・クリムゾン
WHDエンタテインメント
【ディスク1】
  1. 偉大なる詐欺師
  2. 人々の嘆き
  3. 隠し事
  4. 夜を支配する人
  5. トリオ
  6. 詭弁家
  7. 暗黒の世界
  8. 突破口 ※〈紙ジャケット仕様/HDCD〉

Macchi * プログレッシヴ・ロック * 16:09 * comments(2) * trackbacks(0) * pookmark

Gypsy/Gypsy(1970)

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このアルバムは、アルフォンス・ミュシャの絵が好きな僕としては、前々から気になっていて、アルバムも入手していたのですが、未だ聴いた事もなく、どのカテゴリーに入るのか扱いに困っていたアルバムです。
というわけで2014年第9週の帰宅BGMは、Gypsyのファーストアルバム『Gypsy』を聴きました。

後にメンバーの一人James Walshが、The James Walsh Gypsy Bandというバンドを結成して、アルバムを1枚残すのですが、たった1枚ながら、ブルー・アイド・ソウルの名盤として日本では人気があるようで、Gypsyの事をネット検索すると、本家本元のGypsyよりも、The James Walsh Gypsy Bandの方が沢山検出されてしまうところが辛いところです。
本家本元のGypsyですが、ミネソタ州出身のバンドで、1969年から1975年の活動期間中に4枚のアルバムを残しています。

ミュシャなんておされな画家の絵をジャケットに使うなんて、どんな洒落た音楽が繰り出されるのか期待が極度に高まりますが、アルバム冒頭から流れる1曲目「Gypsy Queen Part 機廚蓮▲▲ペラのコーラスワークの後に、ギターによる土臭いメロディとズンドコというリズムが繰り出され、ジャケットのイメージがガラガラと崩れ落ちます。

…が、ジャケットの事はともかく、アルバムを聴き進めていくうちに、この認識はとんでもない間違い、このアルバムはかなりの名盤だという事に気付かされます。
1曲目が「Part 機廚箸い事で、2曲目は「Gypsy Queen Part 供廚搬海、組曲の形態をとっております。
3曲目「Man Of Reason」は、ポップでシングル向きの曲ですが、この曲も途中転調する場面があります。
転調のねじれ感とダンサブルな感じが何ともたまらない5曲目「Late December」と続き、このバンド、ただのポップ・バンドでもない、カントリー・ロックでもない、一筋縄ではいかない何かがひしひしと感じられます。
6曲目のストリングスも使った美しい哀愁のバラード「The Third Eye」の後は、約8分にも及ぶ7曲目「Decisions」。インプロビゼーションたっぷりのこの曲は、アルバム前半のヤマ場ですね。

アルバム後半は、アフリカ音楽的なリズム感の8曲目「I Was So Young」から始まります。
意外にポップで素直な9曲目「Here In My Loneliness」の後は、ストリングスをフィーチャーし、曲前半はソウル・バラード調で展開される11曲目「The Vision」(7分半)や、約11分に及ぶアルバム中最大の大作である12曲目「Dead And Gone」が続きます。「Dead And Gone」は、曲前半はカントリー調ですが、曲中盤からジャジーに、そして曲後半は再びカントリー調に戻る展開で、アルバムは、11、12曲目で最もヒートアップしていきます。
そして最後の「Tommorow Is The Last To Be Heard」は、ロック調の曲ですが、スリリングな展開がたまりません。

終わってみればこのGypsy、プログレッシヴ・ロック・バンドです。
ヨーロッパ系のバンドを好むプログレ・ファンからは、お叱りを受けそうですが、ポップで歌モノでありながら、インプロビゼーションを重視したプログレッシヴ・ロック的なアプローチの楽曲、アルバム構成は、これ正に後にKansasが成功を収める音楽形態じゃないですか。

曲も、アルバムも完成度の高い本作は、Kansasの何年も前に走っていた、地味ながら名盤といえるでしょう。

Gypsy
Bedrock Records
【ディスク1】
  1. Gypsy Queen(Part One)
  2. Gypsy Queen(Part Two)
  3. Man Of Reason
  4. Dream If You Can
  5. Late December
  6. The Third Eye
  7. Decisions
  8. I Was So Young
  9. Here In My Loneliness
  10. More Time
  11. The Vision
  12. Dead And Gone
  13. Tomorrow Is The Last To Be Heard

Macchi * プログレッシヴ・ロック * 22:09 * comments(2) * trackbacks(0) * pookmark

Brain Salad Surgery/Emerson Lake & Palmer(1973)

JUGEMテーマ:音楽

2014年第2週の帰宅BGMは、Emerson Lake & Palmerの『Brain Salad Surgery』を聴きました。

EL&P通算5枚目のアルバムで、EL&P自身が設立したレーベル、マンティコアから発表した第1弾アルバムですね。

アルバム冒頭を飾る「Jerusalem」は、Keith Emersonによるスケールの大きなオルガン演奏をバックにしながらも、コンパクトでポップにまとめ上げたヴォーカル曲ですが、2曲目「Toccata」で早くもプログレ感が爆発しますね。
「Toccata」は、アルゼンチンのAlberto Ginasteraという作曲家のピアノ・コンチェルトをカヴァーしたものです。
原曲を聴いた事はないので、原曲がどんな曲調なのか分かりませんが、ピアノ・コンチェルトという位だから、穏やかで優しい曲調を連想してしまいますが、このカヴァーは、アルバム・ジャケットのイメージを裏切らない、緊張感が張り詰めた、Emersonのモーグ・シンセサイザーの独断場ですね。
さすがに時代が経過しているので、今聴くと、シンセサイザーの音色が、プログレッシヴ・ロックの典型のような感じで、少々チープな感がしないわけでもないですが、1曲ものとはいえ、途中転調をしたり、複雑な曲展開の構成力はさすがです。

緊張感のある「Toccata」の後は、フォーキーな「Still...You Turn Me On」、おどけた曲調の「Benny The Bouncer」と続き、緊張感をほぐした後、アルバムは最大にして、最後のヤマ場を迎えます。

それが、約30分以上にも及ぶ、3部構成による「Karn Evil 9」なのですが、「1st Impression Part1」から「1st Impression Part2」にかけてのEmersonのみならず、Greg Lakeのヴォーカル、Carl Palmerのドラムの3者が、がっぷりと三位一体となったエネルギッシュな演奏は、当時の彼等が破竹の勢いを誇っていた事を物語っています。
たたみかけるような勢いの「1st Impression」の後は、「1st」と「3rd」の間に挟まれてインターバル的な存在ですが、Emersonのジャジーなピアノプレイが堪能できる「2nd Impression」。
最後は、「1st」並に長い曲ですが、冒頭の「Jerusalem」にも呼応するかのような、英雄談的な曲調の「3rd Impression」で、アルバムを締めくくります。

彼等の存在、ここに極めりと表現したくなる1枚で、最も脂の乗った頃の1枚でしょう。

エマーソン、レイク&パーマー
ビクターエンタテインメント
【ディスク1】
  1. 聖地エルサレム
  2. トッカータ
  3. スティル…ユー・ターン・ミー・オン
  4. 用心棒ベニー
  5. 悪の教典#9 第1印象パート1
  6. 悪の教典#9 第1印象パート2
  7. 悪の教典#9 第2印象
  8. 悪の教典#9 第3印象
【ディスク2】
  1. あなたのバレンタイン
  2. 恐怖の頭脳改革
  3. 悪の教典#9 第3印象 〔オリジナル・バッキング・トラック〕
  4. 聖地エルサレム 〔ファースト・ミックス〕
  5. スティル…ユー・ターン・ミー・オン 〔ファースト・ミックス〕
  6. トッカータ 〔オルタナティヴ・ヴァージョン〕
  7. 悪の教典#9 第1印象パート1 〔アンリリースド・アンティル・35TH アニヴァーサリー・ヴァージョン〕
  8. 悪の教典#9 第1印象パート2 〔アンリリースド・アンティル・35TH アニヴァーサリー・ヴァージョン〕
  9. 悪の教典#9 第2印象 〔アンリリースド・アンティル・35TH アニヴァーサリー・ヴァージョン〕
  10. 悪の教典#9 第3印象 〔アンリリースド・アンティル・35TH アニヴァーサリー・ヴァージョン〕
  11. 恐怖の頭脳改革 〔NME付録ソノシート収録1973〕
  12. 「恐怖の頭脳改革」抄録 〔NME付録ソノシート収録1973〕

Macchi * プログレッシヴ・ロック * 20:10 * comments(3) * trackbacks(0) * pookmark

In The Court Of The Crimson King/King Crimson(1969)

JUGEMテーマ:音楽

2013年第43週の通勤BGMは、King Crimsonの『In The Court Of The Crimson King』を聴きました。

言わずもがなKing Crimsonのデヴューアルバムですね。
The Beatlesの『Abbey Road』をトップの座から引きずり下ろしたと、長らく言い伝えられていましたが、実際には全英チャート最高位5位にまで上り詰めたというのが、真実のようです。
とはいえ、新人バンドのデヴューアルバムでありながら、途中プロデューサーが制作から降りるなど、その制作は難航し、最終的にはバンドのセルフプロデュースとなったいわくつきのアルバムです。
以後、バンドはRobert Frippを除いて、絶えずメンバーチェンジを繰り返す事になり、その誕生から現在に至るまで一筋縄ではいかない道を辿っています。
アルバム冒頭の曲「21st Century Schizoid Man including Mirrors」は、その衝撃的なインパクトもあって、テレビなどでもよくBGMで流れるので、洋楽やプログレッシヴ・ロックをよく知らない方でも、一度は耳にした事があるでしょう。

その「21st Century Schizoid Man including Mirrors」は、曲序盤はFrippのへヴィなギターと、歪んだGreg Lakeのヴォーカルで幕を開け、中盤はIan Mcdonaldのサックス、Michael Gilesのドラム、Greg Lakeのベースが、フリージャズのごとく各々が繰り広げるプレイの応酬へとなだれ込み、途中、転調を繰り返しながら、再びFrippのギターと、Greg Lakeのヴォーカルが加わり、最後は驚異的な混然混沌とした演奏で終わります。
この暴力的で狂気に満ちた楽曲を聴けば、先の「The Beatlesの『Abbey Road』をトップの座から引きずり下ろした」という、真実ではない言い伝えが長らく広まっていた事にも何だか納得してしまいますよね。
僕は、この「21st Century Schizoid Man including Mirrors」を聴くと、スタンリー・キューブリック監督の映画『時計仕掛けのオレンジ』を思い出してしまいます。

驚異的な前曲「21st Century Schizoid Man including Mirrors」から一転して、2曲目「I Talk To The Wind」は、ヨーロッパの田園風景が目に浮かぶような、怪しいまでに美しいフォーキーな楽曲。
暴力的で狂気に満ちたへヴィな前曲とは、著しくギャップの激しい曲ですが、この対位法的ギャップこそKing Crimsonのたまらない魅力ですね。

3曲目「Epitaph including March For No Reason and Tomorrow And Tomorrow」は、サウンド的なへヴィさとは違いますが、荘厳な楽曲です。
「混沌こそ我が墓碑銘」という有名な一節が歌詞に登場しますが、この曲を聴いていると、個人的には、人間の業の深さのような何故か感じてしまうそんな1曲です。

4曲目「Moonchild including The Dream and The Illusion」は、他の曲と比較すると少々インパクトの弱い曲です。
しかし曲序盤はバラード調ですが、中盤以降は、音のヴォリュームは小さいながらも、やはり前衛音楽、フリージャズのような展開になります。

そしてアルバム最後は、アルバムタイトルにもなっている曲「The Court of the Crimson King including The Return Of The Fire Witch and The Dance Of The Puppets」。
この曲も「Epitaph」同様、荘厳な楽曲で、大河的な魅力を持った曲です。
日本では、プログレッシヴ・ロック、中でもこのKing Crimsonは、大変な人気のあるグループですが、こういう大河的な魅力のある楽曲があるのも、その人気の理由なんだと思います。

収録されている楽曲も強烈ですが、そのアルバムジャケットも強烈なインパクトがあります。

プログレッシヴ・ロックを印象付けた1枚です。

King Crimson
Discipline Us
【ディスク1】
  1. 21st Century Schizoid Man (Including Mirrors)
  2. I Talk To The Wind
  3. Epitaph (Including March For No Reason/Tomorrow And Tomorrow)
  4. Moonchild (Including The Dream/The Illusion)
  5. The Court Of The Crimson Song (Including The Return Of The Fire Witch/The Dance Of The Puppets)

Macchi * プログレッシヴ・ロック * 22:14 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark
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