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Maria Muldaur/Maria Muldaur(1973)
2016.07.17 Sunday 18:50

JUGEMテーマ:音楽

 

7月も半ばを過ぎましたが、私の住む関東地方はまだ梅雨明けしません。

水不足だと言われていますが、先週は木、金曜と続けてゲリラ豪雨。

釣りにも、昨年9月以来久しく行ってないので、そろそろ梅雨明けして欲しいのですが…。

 

2016年第28週の帰宅BGMは、Maria Muldaurのソロ・デヴュー作『Maria Muldaur』を聴きました。

 

Maria Muldaurは、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ出身で、The Even Dozen Jug Bandや Geoff Muldaurとのデュオで、東海岸で活動した後、本作でソロ・デヴューを果たしています。

 

Clarence White、Ry Cooder、Amos Garrett、Andrew Gold、Nick DeCaro、Jim Keltner、Jim Gordon他そうそうたる面子がレコーディングに参加した本作は、Lenny Waronkerのプロデュースの下、ジャグ・バンド調の「Any Old Time」をはじめとして、カントリー調の「My Tennessee Mountain Home」や「I Never Did Sing You A Love Song」。

1920〜1930年代の空気を伝えるような「The Work Song」やニューオリンズ・ジャズ調の「Don't You Make Me High (Don't You Feel My Leg)」など、おおよそアメリカ音楽のルーツを全て網羅したような内容なのですが、決して泥臭くなるような事もなく(「Three Dollar Bill」だけがスワンプ調で唯一泥臭い曲か)、むしろヨーロッパ的な雰囲気を伝えてくれるのは、やはりMariaの歌唱によるおかげでしょうか。

 

なかでも、ビルボードで6位を記録した「Midnight At The Oasis」は、Amos Garrett名ギターとMariaのとろけるような歌声(ある意味この歌声はエロいよなぁ)と共に、フリーキーでパラダイスにいるかのような錯覚に陥らせてくれる一曲。

「Long Hard Climb」も、ノスタルジックな気分に浸らせてくれる一曲で、なかなか捨て難い曲です。

 

夏の夕涼みにピッタリのアルバムです。

マリア・マルダー
ダブリューイーエー・ジャパン
【ディスク1】
  1. エニー・オールド・タイム
  2. 真夜中のオアシス
  3. マイ・テネシー・マウンテン・ホーム
  4. ラヴ・ソングは歌わない
  5. ザ・ワーク・ソング
  6. ドント・ユー・フィール・マイ・レッグ
  7. ウォーキン・ワン&オンリー
  8. ロング・ハード・クライム
  9. スリー・ダラー・ビル
  10. ヴォードヴィル・マン
  11. マッド・マッド・ミー

| Macchi | 70年代西海岸ロック | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
Malo/Malo(1972)
2016.06.19 Sunday 13:17
JUGEMテーマ:音楽

 

週末の金曜日は、昼間は厳しい暑さでしたが、夜も何となく蒸し暑い暑さでしたね。

本格的な夏はまだまだ先ですが、蒸し暑い夜にはMaloの「Suavecito」なんか聴くのも、真夏の夜の夢みたいな感じでよろしいんじゃないでしょうか。

 

2016年第24週の帰宅BGMは、Maloのデヴュー・アルバム『Malo』を聴きました。

 

Maloは、サンフランシスコ出身のラテン・ロック・バンドで、メンバーには、あのCarlos Santanaを兄に持つJorge Santana(ホルヘ・サンタナ)がいたバンドです。デヴューが今回聴いたアルバムを発表した1972年で、4枚のアルバムを残しています。

上にも書きましたが、本作に収録されている「Suavecito」が、チャート18位を記録するヒット曲となりましたが、ある意味一発屋的な存在だったのでしょうか、僕が調べる限り、本作以後のアルバムでは目立ったヒットを飛ばしてはいないようです。

Carlos Santanaの弟がいるよ!というのが売りだったのかもしれませんね。

 

僕がMaloに出会ったきっかけは、ワーナーがその昔売り出した『ウェスト・コースト・ロック・パーフェクト・コレクション』という12枚組CDの中に、「Suavecito」が収録されていた事なのですが、アルバム自体を聴くのは、今回が初めてです。

「Suavecito」意外に大きなヒットがないという事を知りましたが、聴いてみると、これがなかなか面白い内容でしたよ。

 

冒頭「Pana」は、典型的なラテン・ビートの曲。カーニバルのリズムに、弾けるホーン・セクションと踊りたくなるような楽しい曲です。途中転調するところもスパイスが効いていてなかなかですね。

 

2曲目「Just Say Goodbye」は、「Pana」とは打って変わって、メロウなエレピと穏やかなギターが印象的な静かな出だしの曲。熱狂した前夜が明けた、その疲れとも何とも言えない静寂の朝を迎えたという感じなのですが、それもすぐにSantanaを思わせるインプロビゼーション的なハードなギターとリズムセクションの応酬が繰り広げられるのですが、曲後半はその展開もソフト・ロックを連想させるようなメロウなコーラスで終焉を迎えます。

この曲は「Pana」以上にめくるめく展開の曲で、ジャズっぽいというか、クロスオーバー調というか、都会的なセンスも感じさせる曲ですね。

 

3曲目「Cafe」は、再びラテン・ビートの曲。

演奏主体だったそれ以前の曲と比べて、ヴォーカル主体の曲です。

 

4曲目「Nena」は、リズムはラテンのリズムですが、演奏はブラス・ロック調の曲です。

 

5曲目「Suavecito」は、冒頭にも書いたようにチャート18位を記録したシングル向きの曲。それまでの熱いラテン・ビートの曲とは違い、全編メロウな曲でそれこそ「真夏の夜の夢」と表現したくなるような、まどろむような曲調の曲です。

 

本来なら「Suavecito」を最後に持って来れば、アルバム構成として最適だと思うのですが、6曲目、最後の曲は「Peace」。

曲名からくる印象とは違い、ヴォーカルArcelio Garcia Jr.がシャウトする、プログレ・ハード的で、ファンク・ロック的な粘り気もある曲が最後を締めくくります。

 

単純なラテン・ビートとは違い、ジャズ、クロスオーバー、プログレ、ファンク、ソフト・ロックのテイストも感じられる音楽性は、なかなか面白いアルバムだと思いました。

 

 

Malo
Warner Bros / Wea
【ディスク1】
  1. Pana
  2. Just Say Goodbye
  3. Cafe
  4. Nena
  5. Suavecito
  6. Peace

| Macchi | 70年代西海岸ロック | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
Let There Be Music/Orleans(1975)
2016.04.09 Saturday 22:44
JUGEMテーマ:音楽

春うらら…、と書きたいところですが、先週の金曜夜からずっとちょっと雨が降ったり、振らなくても曇りだったりと、桜が満開になったのにあいにくの天気で、満開になったと思ったら、木曜は春の嵐と、激しい雨が降ったりで、なかなか花見を楽しむには難しい1週間でしたね。
桜も今や散りかけですが、週末になってようやく天気もよくなり、陽気も良くなってきたので、この週末は花見に最高の週末でしょうか。

花見に関係なく、こんな春の陽気には、Orleansの「Dance With Me」が、なんとなくマッチしているかなと、2016年第14週の通勤BGMは、Orleansの『Let There Be Music』を聴きました。
本作、特に「Dance With Me」は、彼等の本質ではないと評されますが、こんな季節にはこんな曲が聴きたいじゃないですか。

アルバム評については、2012年8月12日の記事に書いていますので、今回は割愛させて頂きます…。
オーリアンズ
ワーナーミュージック・ジャパン
【ディスク1】
  1. 風さわやかに
  2. ダンス・ウィズ・ミー
  3. 愛が過ぎて行く
  4. ユア・ライフ・マイ・フレンド
  5. 歌こそすべて
  6. ビジネス・アズ・ユージュアル
  7. コールド・スペル
  8. エンディング・オブ・ア・ソング
  9. ギヴ・ワン・ハート
  10. 君がくれた大切なもの

| Macchi | 70年代西海岸ロック | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Pay Pack & Follow/John Phillips(2001)
2016.04.03 Sunday 12:27
JUGEMテーマ:音楽

2016年第13週の通勤BGMは、John Phillipsの『Pay Pack & Follow』を聴きました。

1960年代後半に興った、アメリカ西海岸を中心とするフラワー・ムーブメントを代表するグループ、The Mamas And The Papas。
そのThe Mamas And The PapasのリーダーであるJohn Phillipsは、2001年3月に亡くなるまで、1970年に『John Phillips(John, The Wolf King Of L.A.)』というソロ・アルバムを1枚きり発表したのみです。

今回聴いたアルバムは、John Phillipsが、The Rolling StonesのMick JaggerとKeith Richardsのプロデュースにより、1970年代に録音していた未発表音源集で、彼の死後直後にリリースされました。

収録曲は、一部Mickとの共作曲がありますが、全曲Johnのペンによる楽曲です。
The Mamas And The Papasは、コーラスワークを重視したフォーク・ロックを特色とし、唯一のソロアルバム『John Phillips(John, The Wolf King Of L.A.)』は、カントリー・ロック色の強いアルバムでしたが、Stonesとの親交により録音されたこれらの音源も、また興味深いものがあります。

Stonesとの親交が背景にあるとあって、冒頭の「Mr. Blue」のように、Stonesっぽい曲があるのはもちろんのこと、「She's Just 14」や「Oh Virginia」、「Pussycat」のようにスワンプ・テイスト満載の楽曲が収録されている事が、このアルバムを特徴づけており、この点も60年代末期から70年代初めにかけて、アメリカン・ルーツ色の濃いアルバムを発表したStonesからの影響があるのかなと思います。

録音には、プロデュースに関わったMickとKeith以外に、Ron Wood、MickTaylorと、他のStonesメンバーも参加しています。

 
ジョン・フィリップス
カッティング・エッジ
【ディスク1】
  1. Mr.Blue
  2. She’s Just 14
  3. Wilderness Of Love
  4. Oh Virginia
  5. Sunset Boulevard
  6. Pussycat
  7. Zulu Warrior
  8. Very Dread
  9. 2001
  10. I Wished (Bonus Track for Japan only)

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追悼Glenn Frey〜後期Eagles〜
2016.02.07 Sunday 13:32
JUGEMテーマ:音楽

2016年第5週の通勤BGMは、Eaglesの『Hotel California』を聴きました。

Don Felderの加入は、かねてからEaglesが望んでいたロック色の強化に大きく貢献しました。
しかし、それに伴う副作用というわけではありませんが、バンドのカントリー・ロック色は薄れていき、カントリー・ロック・サウンドを牽引していたBernie Leadonの脱退に繋がります。

Bernieの後任として加入したのが、アメリカを代表するハード・ロック・バンドの一つであったJames Gangの元ギタリスト、Joe Wolshでした。

最後のスタジオ録音アルバムとなった『The Long Run』に収録された「I Can't Tell You Why」や「King Of Hollywood」で、まだギタリストとしてクレジットされてはいるのですが、ハード・ロック・ギタリストとして知名度の高いJoeの加入により、Glennのバンド内でのギタリストとしての立ち位置は、さらに後退していきます。
一方、それまでのアルバムの中にも「Desperado」といったピアノを使う曲はあったのですが、『Hotel California』や『The Long Run』では、「New Kid In Town」や「I Can't Tell You Why」のようにキーボードをフィーチャーした曲が収録されるようになり、キーボーディストとしての役割が高まってきたように思えます。

次にリード・ヴォーカリストとしてのGlennですが、Don Henleyがバンド最大の代表曲「Hotel California」を歌った事だけにとどまらず、『Hotel California』、『The Long Run』の2枚のアルバムでは、収録曲中大半の曲でリード・ヴォーカルを担当しており、今では彼が「ヴォイス・オブ・ホテル・カリフォルニア」と称されるだけあって、バンドのイメージが完全にGlennからHenleyに移っていった感があります。
しかし、『Hotel California』に収録された「New Kid In Town」では、熟成された大人のヴォーカルを聴かせ、初期の彼のヴォーカル・スタイルとは全く違う、成長の跡を窺わせてくれるところが興味深いものがあります(私的に「New Kid In Town」での歌唱は、ソロ・キャリアも含めて最高の歌唱だと思います)。
残念ながら、ラスト・アルバム『The Long Run』では、「New Kid In Town」のような歌唱は聴く事が出来ないのですが、ハード・ブギー「Heartache Tonight」で久々のシャウトを聴かせており、同曲がGlennと同郷のBob Segerとの共作である事から、最後の最後で原点回帰とも思えなくもなく、これはこれでうれしい1曲です。

 
Eagles
Elektra / Wea
【ディスク1】
  1. Hotel California
  2. New Kid In Town
  3. Life In The Fast Lane
  4. Wasted Time
  5. Wasted Time (Reprise)
  6. Victim Of Love
  7. Pretty Maids All In A Row
  8. Try And Love Again
  9. The Last Resort

Eagles
【ディスク1】
  1. The Long Run
  2. I Can't Tell You Why
  3. In The City
  4. The Disco Strangler
  5. King Of Hollywood
  6. Heartache Tonight
  7. Those Shoes
  8. Teenage Jail
  9. The Greeks Don't Want No Freaks
  10. The Sad Cafe

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追悼Glenn Frey〜中期Eagles〜
2016.01.31 Sunday 12:43
JUGEMテーマ:音楽

2016年第4週の帰宅BGMは、Eaglesの『One Of These Nights』を聴きました。

バンド・リーダーにして、カントリー・ロック・バンドを象徴するリード・ヴォーカリスト(全曲を歌っていたわけではありませんが)。それにロック色の強い曲では、リード・ギタリストというのが、初期EaglesにおけるGlenn Freyの役回りでした。
セカンド・アルバム『Desperado』で、初期の名バラード「Desperado」のリード・ヴォーカルをDon Henleyが歌った事で、バンドのイメージにおけるDonの比重が高まってきますが、初期の2枚のアルバムでは、Glennのバンドにおける比重が一番大きいものがあります。

しかし、中期Eaglesでは、Glenn Freyのバンドにおける位置は、微妙に変化してきます。
ロック色の強いリード・ギタリストDon Felderの参加です。
ロック色の強いサウンドを求めるバンドが、前2作のプロデュースを担当したGlyn Johnsと縁を切り、新たに組んだBill Szymczykの助言で参加が決まったFelderですが、彼がバリバリと弾くリード・ギターや、泥臭いうねるようなスライドギターは、「Already Gone」や「Good Day In Hell」において、これまでのGlennのギターとは明らかに違う強烈な印象を植え付けるものでした。

ただ、Don Felderは、3枚目のアルバム『On The Border』のレコーディング途中から参加した為、まだ途中まではGlennのリード・ギタリストの立場は変わらなく、「Is it True ?」ではスライドギターも弾いております。
リード・ヴォーカリストとしても、「James Dean」ではロックンローラーとして、またTom Waitsの曲をカヴァーした「Ol'55」ではレイドバック感の漂うヴォーカルを、前2枚のアルバム同様に聴かせてくれます。

4枚目の『One Of These Nights』では、そのFelderも全面参加となった為、彼のリード・ギタリストとしての位置は確定し、Glennはそのサイドに回るようになります。ツインリードギターをフィーチャーしたという点でプレ「Hotel California」ともいえる「Too Many Hands」を聴くと、Glennの当時のギタリストとしての位置が窺えます。

Glennのヴォーカリストとしての変化が大きく出てきたのが、このアルバムから。
まだBernie Leadonがいた為、バンドは依然としてカントリー・ロック・バンド的な側面も持っていたのですが、カントリー・フォーク調の「Lyin' Eyes」では、成熟感のあるヴォーカルを聴かせ、曲自体はカントリー調でも、それまでのようにレイドバック感漂うヴォーカルを聴かせる事はなくなりました。
また、Henleyとのデュエットする「After The Thrill Is Gone」でも、何か吹っ切れたようなヴォーカルを聴かせ、印象的なものがあります。
バンド内で随一のシャウターだった彼ですが、シャウト出来るような、ラウドでシンプルなロックサウンドを持った曲がなくなったのも印象的です。

 
Eagles
Elektra / Wea
【ディスク1】
  1. Already Gone
  2. You Never Cry Like A Lover
  3. Midnight Flyer
  4. My Man
  5. On the Border
  6. James Dean
  7. Ol' 55
  8. Is It True?
  9. Good Day In Hell
  10. The Best Of My Love

| Macchi | 70年代西海岸ロック | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
追悼:Glenn Frey~初期Eagles~
2016.01.24 Sunday 18:42
JUGEMテーマ:音楽

そして、2016年1月19日。米国時間では18日。悲しいニュースが入って来ました…。
EaglesのGlenn Freyが、享年67歳でこの世を去りました。
それでもファンなのか?と言われると身も蓋もないのですが、何度も何度も同じCDを聴いていた頃から比べれば、彼等に対する熱も冷めて(成熟して)いたし、EaglesのHPを欠かさず見ていたわけでもないので、Glennが体調を崩しており、Eaglesもツアーを当面見合わせていた事も知りませんでした。
だから、僕には本当に突然の訃報でした。

元々2016年第3週の通勤・帰宅BGMは、別のアーティストを取り上げるつもりでしたが、Glenn追悼の意味で、急遽通勤BGMはEaglesの『Desperado』を、帰宅BGMはGlennのセカンドアソロアルバム『The Allnighter』に変更しました。

ただ、いつも通りこのアルバムを聴きましたでは、内容的に面白くもないし、追悼らしくもありません。
そこで2016年第3週の通勤・帰宅BGMは欠番とし、複数回に分けて、雑誌やムック本ではあまり触れられない、僕個人の考えるEaglesでのGlennの魅力を書けたらなと思います。

Glenn Frey。
Eaglesのオリジナルメンバーにして、Don Henleyと並ぶ、バンドの中心メンバー、リーダーです。
彼とDonは、The BeatlesのLennon & McCartneyに例えられるほど、バンドのソングライティングの要でもあります。
とここまでは、大体どの雑誌でも、ムック本でも書かれる事ですし、まあ確かに全くその通りです。

シンガーとしては、初期Eaglesにおいてはバンドの代名詞的存在でもあり、全米12位のヒットとなったファーストシングル「Take It Easy」や、22位とヒットした「Peaceful Easy Feeling」でリード・ヴォーカルを執っています。
いずれの曲も、カントリー・ロックの名曲であり、初期Eaglesをカントリー・ロック・バンドとして決定付ける曲なのですが、面白いのは両曲を歌ったGlenn自身がデトロイト出身であるという事。
言うまでもなく、デトロイトはアメリカ自動車産業の都市であり、カントリーのイメージとは対極的な都市です。
Eagles結成以前にJ.D.SoutherとLongbranch/Pennywhistleというフォークデュオを組んでいたものの、そんな工業都市出身の彼が、レイドバック感漂う、ちょっと青臭いヴォーカルを聴かせているのは、考えてみれば何とも不思議です。
でも、Eaglesが決して泥臭くもなく土臭くもない、ライトでポップなカントリー・ロックを一般的にヒットさせたのも、楽曲のアレンジやコーラスワークの妙もさることながら、決して本格的にはなれない(ならない)Glennのヴォーカルがあったからこそではと思います。

初期Eaglesは、カントリー・ロック・バンドとしての評価が非常に高いのですが、一方でGlennは、同じファーストアルバムにおいて「Chug All Night」という曲でもリード・ヴォーカルを執っています。
この曲は、先に挙げた「Take It Easy」、「Peaceful Easy Feeling」とは対照的なハード・ロックなのですが、ギターソロの部分ではシャウトするなど、ヴォーカル面でも対照的な顔を見せてくれます。
評論家筋には全く見向きもされない本曲ですが、この曲の方が、彼の音楽的ルーツが垣間見える曲でしょう。
彼の出身地であるデトロイトは、The Amboy Dukes(Ted Nugent)やMC5、The Stoogesなど、アメリカン・ハード・ロックの聖地のような所で、轟音級のロックが盛んだった場所です。
GlennやDonは、自分達がカントリー・ロック・バンドとして扱われる事を嫌い、ロックンロール・バンドとして扱われる事を望んだと聞きますが、後期Eaglesのカチッとしたハード・サウンドと比較して、ラフでラウドな初期Eaglesのハード・ロック的指向を持った曲は、そんなGlennの音楽的背景が大きく影響していると思うのです。

セカンドアルバム『Desperado』でも、Glennのリード・ヴォーカルとしての顔は、Donの台頭によりやや後退した感がありますが、ファズ・ギターが効いてガレージ感の強い「Out Of Control」や「Outlaw Man」ではハード・ロック的側面を、「Tequila Sunrise」ではカントリー・ロック的側面を魅せるなど、ファーストアルバムの傾向を引き継いでいます。

なお、プレーヤーとしてのGlenn Freyに着目すると、初期Eaglesのカントリー・サウンドを牽引していたのは紛れもなくBernie Leadonですが、ロック・サウンドを牽引していたのはやはりGlenn Freyでした。
後に加入するDon FelderやJoe Walshのようにテクニカルではありませんが、時にはスライドギターを弾くなど、バンド初期のロック・サウンドを支えていたギタリストでした。BBCのライヴ映像では、「Witchy Woman」のイントロの前にBernieとギターの掛け合いをするなど、ブルーズ・フィーリングも持ち合わせていた事も伺えます(あまりブルーズっぽさは感じませんが、Bo Diddleyのツアー・サポートをしていたという話もあります)。

次週は中期EaglesのGlennに注目してみたいと思います。

 
Eagles
Elektra / Wea
【ディスク1】
  1. Take It Easy
  2. Witchy Woman
  3. Chug All Night
  4. Most Of Us Are Sad
  5. Nightingale
  6. Train Leaves Here This Morning
  7. Take The Devil
  8. Earlybird
  9. Peaceful Easy Feeling
  10. Tryin'

Eagles
【ディスク1】
  1. Doolin-dalton
  2. Twenty-one
  3. Out Of Control
  4. Tequila Sunrise
  5. Desperado
  6. Certain Kind Of Fool
  7. Doolin-dalton (Instr.)
  8. Outlaw Man
  9. Saturday Night
  10. Bitter Creek
  11. Doolin-dalton/Desperado (Reprise)

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訃報:Glenn Frey死去
2016.01.20 Wednesday 01:16
JUGEMテーマ:音楽



昨日(2016年1月18日)は、Jack Tempchinのジャパン・ツアーの初日で、横浜で行われたライヴを会社帰りに観て来たのですが(その鑑賞記は後日書きます)、その翌日にまさかこんなニュースが…。
そのライヴの余韻に浸りながら昼休みにJackの事をネットで検索していたら、Glennの訃報をたまたまどこかの掲示板で見つけて、最初は「冗談でしょ(苦笑)」と思ってニュースを検索したのですが、既にNHKや大手新聞社のニュースにもなっていて、本当の事だったんだ…と自分に言い聞かせた次第です。
この前のDavid Bowieの訃報の方が人によっては衝撃度が強いかもしれませんが、僕にとっては今回の方が断然ショックです。

Jackのライヴでは、演奏の前にトークショーが行われ、その話題の半分がGlenn関連の話題で占められていたのですが、そんなJackのライヴの後でGlennの訃報を知るなんて、僕が初めてライヴに観に行ったのが、上の写真のGlennのライヴだった事を考えると、何だかよく意味が分からないけど、これも縁なんだと思う。

最近は、Don Felder解雇とかGlennに対するイメージは個人的に良くなかったし、Eagles再結成後に彼が書いたバンドやソロの曲にも、それ以前のバンドやソロの曲と比べると、今一つ魅力を感じていませんでした。

でも、洋楽に目覚め、Eaglesをまず最初に気に入り、熱心に聴き始めた時、「Peaceful Easy Feeling」をはじめとするカントリー・ロックでも、「Chug All Night」をはじめとするハードなロックでも、Glennの事を格好よく思っていたのも事実。

年齢も年齢だし、いつかはこういうニュースも入るんだろうなとは思っていたけれど、改めてやっぱり辛いですね…。

通勤・帰宅BGMも、今週は急遽変更し、EaglesとGlennのアルバムを聴きます。

ご冥福をお祈りします。
| Macchi | 70年代西海岸ロック | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Spirit Of A Woman/Amerian Flyer(1977)
2016.01.11 Monday 18:06
JUGEMテーマ:音楽

新年度第1週の帰宅BGMはAmerian Flyerのセカンドアルバム『Spirit Of A Woman』を聴きました。

カントリー・ロック・バンドPure Prairie Leagueの元メンバーであるCraig Fuller、SSWのEric Kaz、ブラス・ロック・グループBlood, Sweat & Tearsの元メンバーSteve Katz、そしてThe Velvet Undergroundの元メンバーDoug Yuleという異なる音楽背景を持つ4人によって結成されたAmerican Flyer。

1976年に発表されたファーストアルバムは、2014年8月9日の記事で取り上げました。
一般的にファーストアルバムの注目度は高いのですが、今回聴いたのは、あまり注目されない方のセカンドです。

軽やかなカントリーテイストの楽曲と、爽やかなCraig Fullerのヴォーカルがマッチしたアルバムタイトル曲から始まる本作は、全9曲中6曲をEric Kazが提供しており(うち2曲はCraig Fullerとの共作)、前作よりKazの占める割合が増えていますが、Kaz提供の曲はアルバタイトル曲はもちろん、スワンプ調の「Gamblin' Man」、しっとりとしたバラードの「My Love Comes Alive」といずれも小粒ながら粒ぞろいばかり。
Linda Ronstadt、J.D.Southerがバック・コーラスに参加した、Jackson Browneをも連想させる、アコギ調のフォーキーな「I'm Blowin' Away」は、Kaz提供の曲の中では特に説得力のある曲で個人的にお気に入りの曲です(同曲はLinda Ronstadtが『Living In The USA』でカヴァー)。

Kazばかりに注目が集まってしまう同グループですが、Steve Katzが提供した「Victoria」は、ポップでキャッチーな曲で、アルバム収録曲中で単体曲として1番完成度の高い曲じゃないかなと思います。
Doug Yuleも都会的なサウンドで、シティポップとして完成度の高い「Flyer」を提供していて、これも捨て難い魅力があります。

ただいかんせん本作は、前作の87位に及ばず171位止まりでセールスも振るわず、American Flyerは空中分解してしまいました。
その後Craig FullerとEric Kazは、本グループでよほど息が合ったのか、翌年にデュオのような形で『Craig Fuller/Eric Kaz』を発表しています。

 
American Flyer
Collector's Choice
【ディスク1】
  1. Light Of Your Love
  2. Such A Beautiful Feeling
  3. Back In '57
  4. Lady Blue Eyes
  5. Let Me Down Easy
  6. M
  7. The Woman In Your Heart
  8. Love Has No Pride
  9. Queen Of All My Days
  10. Drive Away
  11. Call Me, Tell Me
  12. End Of A Love Song
  13. Spirit Of A Woman
  14. Gamblin' Man
  15. My Love Comes Alive
  16. Victoria
  17. Dear Carmen
  18. I'm Blowin' Away
  19. Flyer
  20. The Good Years
  21. Keep On Tryin'

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Manassas/Stephen Stills Manassas(1972)
2015.12.27 Sunday 21:07
JUGEMテーマ:音楽

2015年第50週の帰宅BGMは、Stephen Stills Manassasの『Manassas』を聴きました。

Buffalo Springfield、Crosby,Stills & Nash(Crosby,Stills,Nash & Young)、そしてソロと、音楽活動を経てきたStephen Stillsが、自己のバンドに、The Flying Burrito BrothersのChris Hillman、Al Perkinsを加え結成したManassasのデヴューアルバムです。
メンバーは、Stills、Hillman、Perkinsの他に、Dallas Taylor、Paul Harris、Fuzzy Samuels、Joe Lalaと、Jimi HendrixやErick Claptonが参加したソロアルバムに比べれば、派手さはないですが、腕達者な面々を揃えたスーパー・バンド的な編成です。

CDのない時代に発売された本作は、当然の事ながらアナログレコードで発売され、2枚組全21曲収録というボリュームのアルバムでした。
CDとなった現在では、収録曲数は同じながら、1枚で収まっているのですが、音質の向上はともかく、何でもデジタルで便利になればいいというものではないですね。
やはり全21曲を通しで聴くと、名作と呼ばれる本作も、個人的な感想ですが、捨て曲があるわけではないのに、長すぎて少々飽きの来る部分がないわけではありません。
しかも本作は、レコードの各面にサブタイトルが付いており、2枚4部構成という、アナログレコードだったからこそ意味のある作品だったのだと思います。

音楽の収録媒体の件はこれくらいにして、本作に収録されている楽曲ですが、Stillsのこれまでのバンド活動やソロ活動の延長線的な内容で、ロックやブルーズ、R&B、フォーク、ラテンミュージックなど、彼の多彩な音楽性が反映された内容になっています。
またHillman、Perkinsが参加は、Flying Burrito Brothersの名曲「Colorado」のカヴァーをはじめとする、カントリー・ロック的展開を強力にサポートしており、これまでの音楽性をさらに広げる内容となっています。
本家よりも渋さを醸し出した「Colorado」もいいですが、その次の「So Begins The Task」が個人的なお気に入り曲。

実はManassasのアルバムを聴くのは今回が初めてなのですが、Manassas自体に出会ったのは今回が初めてではありません。
僕が初めてこのManassasと出会ったのは、ドイツの音楽番組Beat Clubでのスタジオライヴ映像。「Jet Set (Sigh)」で、カントリー・ロックの奏者からは想像出来ないようなブルージーなスライドギターを、スティール・ギターで弾くAl Perkinsにぶったまげた記憶があります。

 
Stephen Stills
Atlantic / Wea
【ディスク1】
  1. Song Of Love
  2. Rock And Roll Crazies/Cuban Bluegrass
  3. Jet Set (Sigh)
  4. Anyway
  5. Both Of Us (Bound To Lose)
  6. Fallen Eagle
  7. Jesus Gave Love Away For Free
  8. Colorado
  9. So Begins The Task
  10. Hide It So Deep
  11. Don't Look At My Shadow
  12. It Doesn't Matter
  13. Johnny's Garden
  14. Bound To Fall
  15. How Far
  16. Move Around
  17. The Love Gangster
  18. What To Do
  19. Right Now
  20. The Treasure (Take One)
  21. Blues Man

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