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SPACE BATTLESHIP ヤマト(2010)

JUGEMテーマ:映画

ちょっと前に『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士達』を記事にしましたが、この実写版「宇宙戦艦ヤマト」に寄せる期待は大きかったのですよ。

日本最高峰のVFXで、あのSFアニメ大作を再現するという事も期待の一因でしたが、何気にそのキャストにニヤッとしてしまったんですよね。
真田さんに柳葉敏郎、古代守に堤真一、徳川機関長に西田敏行、藤堂地球防衛軍長官に橋爪功なんて、何だかアニメの登場人物の風貌そっくりというか、明らかに意識しているような配役。
森雪には、当初は沢尻エリカだったのが黒木メイサに変更になりましたけど、風貌という点では、かえって良かったかもしれないです。松本零二キャラ特有の、ミステリアスな美人キャラという雰囲気には、うってつけの人だし。

そんなこんなで、楽しみに行ったんですよ。
ところが、いざ始まってみると…。
怒りを通り越して、何だか笑いが止まらなくなり…(もちろん声に出して笑いはしませんでしたけど)。
この作品、「宇宙戦艦ヤマト」のパロディなんですかね?
ここから書く事は、ネタバレを含んでいますので、ご注意を。

ストーリーは以下の通りです。

西暦2194年、謎の異星人ガミラス星人から遊星爆弾による攻撃を受けた地球は、地表を放射能に汚染された焼け野原にされ、地下での生活を余儀なくされ、存亡の危機に頻していた。
そして、最後の地球防衛艦隊も、ガミラス艦隊との決戦に敗れてしまう。
そんな中、宇宙から、メッセージカプセルが、地球に落下してくる。
そのメッセージカプセルに入っていた宇宙船のエンジンの設計図を元に、地球防衛軍が完成させた最後の新造宇宙戦艦ヤマトは、同じくメッセージカプセルに入っていた座標図に描かれた、14万8千光年も彼方の惑星イスカンダルへ向かって、地表の放射能を除去する「放射能除去装置」を求めて旅立ったのだった…。

とまあ、ストーリーのベースになっているのは、1stシリーズの「ヤマト」です。
ただし映画の上映時間は138分。
いくら1stシリーズの視聴率が奮わなく、打ち切りになってしまったとはいえ、いくつものエピソードがあった1stシリーズを、限られた時間内で再現するには無理があります。
となると、必然的にストーリーを省略しなければいけませんが、この省略の仕方がまずかった…。
地球との最後の交信のシーンや、ドメル艦隊との決戦(第三艦橋へ敵艦がへばり付いて自爆するシーンや、波動砲の砲口にミサイルが打ち込まれるシーン)など、アニメで印象の残った場面複数を安易につぎはぎしていて、全くといってもいいほど丁寧にストーリーが描かれる場面がなくガッカリでした。
戦闘エピソードを2、3に絞って、それを丁寧に描く事で、もっとハラハラするシーンを描けたのでは?と思います。
しかも、最悪だったのは、ストーリーのベースを1stシリーズに絞らず、「さらば〜」にも求めてしまった事。
この実写版では、1stシリーズでは登場しない斉藤始が登場するのですが、この人が登場した事で、「さらば〜」での真田さんと斉藤の壮絶な戦死シーンが描かれてしまいました。「さらば〜」でも、最も辛いシーンがこんな安易に使われてしまうところに許せないファンもいたのではなかったのでしょうか(加藤や山本が戦死するシーンとかも)。

メカに対するこだわりもどうだったのかなぁと思いました。
地球の科学力では、ガミラスの戦艦には歯が立たず、ヤマトを手にした事で、ようやくガミラス軍と互角に戦える戦艦を手に入れたわけですが、冒頭のガミラス艦隊との決戦シーンで登場する沖田艦や雪風は、アニメと違って、どう見ても弱そうに見えないですね。
ガミラス本星に乗り込んで、星の中心部へ向かう時の輸送車も、トラックの荷台に盾を立てただけで、戦闘歩兵車のような装甲兵員輸送車が使われている現代において、科学力が発達した未来の乗り物には思えないですね。
また、敵のガミラスの戦艦やミサイルも、メカという感じではなく、巨大な化け物という感じでした。
これには、敵のガミラス星人が、地球人と同じような人型の宇宙人ではなく、精神生命体、外形的にはエイリアンのような怪物タイプの宇宙人だったせいもあるのですが…。
小物類を見ても、配線剥き出しのヤマトの艦橋も気になりました。

それに、劇中での波動砲やワープの使い方も気になりました。
ヤマトが地球から飛び立つ時に、波動砲で地球に飛来する巨大ミサイルを打ち落とすシーンは、アニメとは違いますが、これはこれでOK。
でも、それ以外のシーンで、やたらと波動砲を打ったり、打ちたがるのはどうでしょうか?
波動砲は、エネルギーを著しく消耗する武装ですし、奥の手的な武装。
また戦艦大和は大艦巨砲時代の産物。宇宙戦艦ヤマトも、主砲や副砲、対空火器など通常武装で戦うシーンに迫力があり、アニメでもそういうシーンが幾場面で描かれましたが、実写版の劇中ではこういうシーンはあまりちゃんと描かれませんでした。
ワープも、限られた時間内に収める為、連続でしていましたが、これもエネルギーの消耗が激しいし、連続ワープの技術が確立されたのもずっと後の事。
ドラマを丁寧に描かなかった事と相まって、ワープの連続で、14万8千光年の旅は、苦労の長旅という風には全く思えませんでした。

肝心のVFXはなかなかの迫力がありましたが、それだけにメカをもっとリアルに描ききれなかった事が残念でしたね。

そして、キャスト。
僕は、上でキャストについて、アニメを強く意識しているのでは?と書きましたが、肝心の主役の古代進が、古代進ではなく、全くの普段のキムタク。
兄を見捨てた沖田を激しく責め、部下から慕われる部下思いの古代進ですが、キムタクのそれは全くなっていませんでした。
それにしても、イスカンダル到着前の古代と森のラブシーン→イスカンダル到着→ちょうどそこへ戦闘服のジッパーを上げながら艦橋に古代が戻ってくるという展開は笑えましたね。このシーンも苦労の航海を感じさせない一因でした。そして、作品最後の緑が蘇った地球で、森の後ろに子供が付き添ってくるという展開も、予想は出来ましたが何だかなぁ…(苦笑)という感じでした。

キャラクターの設定では、佐渡先生を女性(高島礼子)にしたり、相原も女性(マイコ)にしたり、森雪を戦闘機パイロットにしたりという部分は、これはこれでありかなと思います。
現代では女性も戦場に行く時代なのに、いくらなんでもあの船の中で森雪だけ女性が乗っているなんて、あり得ないですから(笑)。

一時は、社会現象までになったアニメを実写化するのは、オリジナルに忠実にするか、または全く違うものにするか非常に難しい選択を迫られますし、今回実写化に踏み切った事には、大いにその意欲を買います。
今回は恐らく、アニメの現実的には無理な設定を直しつつ、オリジナルに忠実な作品にするという手法を取ったのだと思いますが、その忠実度合いは、ちょっとずれているのかな?と思いました。

ところで、本作は『宇宙戦艦ヤマト』の実写化ですが、何気に『超時空要塞マクロス 愛覚えていますか』の要素を取り入れているのかなとも思いました。
古代の乗るコスモゼロが可変したり、上で書いたラブシーンとか、作品最初のガミラスとの決戦シーンでの森の目(顔?)のアップから始まる部分とか。

色々書きましたが、僕は期待はずれだったかなと思いました。


2010年日本作品
監督:山崎貴、出演:木村拓哉、黒木メイサ他

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From soramove @ 2010/12/21 7:25 AM
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