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手紙

※ネタバレを含んでいるので注意

東野圭吾原作の小説を映画化したもの。
いつもの事だが、原作は読んでいない。

犯罪者、あるいは犯罪被害者(とその遺族)の話題は、世のニュースに取り上げられる事はあるが、犯罪者の家族についてはあまり話題になる事はない。
しかし、ちょっと大きな事件の、加害者の家族の、その後の事を聞く事があるとすると、その場合暗い話題が多い。
この映画は、そんな犯罪加害者の家族をを中心に描いた作品。

武島直貴(山田孝之)は、両親を亡くし、兄剛志(玉山鉄二)と二人で暮らしている。
剛志は、弟を育てながら、大学に進学させようと働くが、仕事で腰を痛め、思うようにお金を稼げず、ある老婆の家へ強盗に入る。目当ての金を見つけ、早々に逃げようとするが、帰宅した老婆に見つかってもみ合いになり、心ならずもその老婆を殺してしまう。
そして剛志は無期懲役の刑を裁判で言い渡され、刑に服す事になる。
それ以来、直貴は剛志と手紙でお互いの近況をやり取りする。

事件以来、直貴は住んでいたアパートを追い出され、大学進学も諦め、仕事に就くがそれも犯罪者の弟という理由で辞めさせられる日々。
ようやく辿り着いたリサイクル工場でも、なるべく他人と付き合わず、自分が犯罪者の弟だという事をばれないようにやり過ごすしかなかった。

そんな直貴だが、一つの夢があった。それは中学生以来の友人である寺尾祐輔(尾上寛之)とコンビで、お笑い芸人になる事。
二人は、昼休みに人目のつかない操車場で落ち合っては、コントのネタの練習をする。
そしてそんな直貴に、同じリサイクル工場の食堂で働く白石由美子(沢尻エリカ)は想いを寄せ、暖かく見守るのだった。

ある日直貴は、同じリサイクル工場で働き、寮に住む先輩に、自分の兄が受刑者である事がばれてしまうが、その先輩も服役を経験した事があり、その先輩にお笑い芸人への道を極めろと薦められ、リサイクル工場を辞め、祐輔と一緒にお笑い芸人への道を目指す。

その後直貴と祐輔は、お笑い芸人への階段を着々と歩み、テレビへ出演するほどまでの人気者になる。
また直貴は、合コンで知り合った大企業の専務令嬢朝美(吹石一恵)と恋仲になり、結婚を考えるまでになる。
しかし、直貴は兄の事を、所属する芸能事務所にも、また朝美にも隠しており、ネットで兄が殺人犯である事が暴露された事で、お笑い芸人としての立場も、朝美との結婚も絶たれてしまう…。

この後の直貴の人生も、兄が殺人犯であるがために、挫折の連続だ。
差別はいけない。直貴自身は殺人犯ではない。この映画を観た人なら、まずは直貴の社会に対するやるせない思いを感じ取るだろう。
しかし、この映画は差別はいけないなんて、そんな単純な結論を導かない。

直貴がお笑い芸人を辞めた後に、勤務し、やはり兄が殺人犯でがあるために直貴を配置転換をする家電量販店の会長平野(杉浦直樹)の存在、及びその出演シーンがこの映画のキーになる。
山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカと若手で固めたこの映画を、ワンシーンではあるが、杉浦直樹がベテランならではの演技で、上手く引き締めている。
平野は言う。
会社のした事は間違っていない。差別は当然の事なんだ。人は犯罪を遠ざけていたい(自己防衛本能だ)。
そして、(会社が直貴へした事を不当だと会社へ抗議した人の事を)君には、君の事を理解してくれている人がいるじゃないか。そこから2本、3本と糸を繋げていけばいい。差別のない場所を探すんじゃない、と。
この平野との会話が、後に直貴が由美子を受け入れ、また剛志が自分のした事の重さに気付き、被害者の遺族が和解し、さらには兄と手紙をやりとりしつつも(途中兄が疎ましく、それすらも止めるが)、実際には兄の存在を受け止められなかった直貴が、兄を受け入れていくシーンへと繋がっていく。

犯罪を犯すという事はどういう事なのか。罪を償うとはどういう事なのか。そして加害者、加害者の家族、そして被害者の家族は…。そんな事を考えさせられる映画。
今年も何本か邦画を観たけれども、これは泣かせる映画だった。今年劇場公開された映画で、僕が観た映画の中で、ベストに入る映画だった。

それにしても、沢尻エリカは出てきた当初のあの野暮ったい感じが実にかわいいんだよなぁ。
ドラマとかでも、『タイヨウのうた』なんかより、『1リットルの涙』とか『愛くるしい』の方がいいと思ったし。
劇中でのあの変わり様には、かなりぶっ飛びました(苦笑)

2006年日本作品
監督:生野慈朗 出演:山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカ、杉浦直樹、吹越満他

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