2016年第5週の通勤BGMは、Eaglesの『Hotel California』を聴きました。
Don Felderの加入は、かねてからEaglesが望んでいたロック色の強化に大きく貢献しました。
しかし、それに伴う副作用というわけではありませんが、バンドのカントリー・ロック色は薄れていき、カントリー・ロック・サウンドを牽引していたBernie Leadonの脱退に繋がります。
Bernieの後任として加入したのが、アメリカを代表するハード・ロック・バンドの一つであったJames Gangの元ギタリスト、Joe Wolshでした。
最後のスタジオ録音アルバムとなった『The Long Run』に収録された「I Can't Tell You Why」や「King Of Hollywood」で、まだギタリストとしてクレジットされてはいるのですが、ハード・ロック・ギタリストとして知名度の高いJoeの加入により、Glennのバンド内でのギタリストとしての立ち位置は、さらに後退していきます。
一方、それまでのアルバムの中にも「Desperado」といったピアノを使う曲はあったのですが、『Hotel California』や『The Long Run』では、「New Kid In Town」や「I Can't Tell You Why」のようにキーボードをフィーチャーした曲が収録されるようになり、キーボーディストとしての役割が高まってきたように思えます。
次にリード・ヴォーカリストとしてのGlennですが、Don Henleyがバンド最大の代表曲「Hotel California」を歌った事だけにとどまらず、『Hotel California』、『The Long Run』の2枚のアルバムでは、収録曲中大半の曲でリード・ヴォーカルを担当しており、今では彼が「ヴォイス・オブ・ホテル・カリフォルニア」と称されるだけあって、バンドのイメージが完全にGlennからHenleyに移っていった感があります。
しかし、『Hotel California』に収録された「New Kid In Town」では、熟成された大人のヴォーカルを聴かせ、初期の彼のヴォーカル・スタイルとは全く違う、成長の跡を窺わせてくれるところが興味深いものがあります(私的に「New Kid In Town」での歌唱は、ソロ・キャリアも含めて最高の歌唱だと思います)。
残念ながら、ラスト・アルバム『The Long Run』では、「New Kid In Town」のような歌唱は聴く事が出来ないのですが、ハード・ブギー「Heartache Tonight」で久々のシャウトを聴かせており、同曲がGlennと同郷のBob Segerとの共作である事から、最後の最後で原点回帰とも思えなくもなく、これはこれでうれしい1曲です。
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Eagles
Elektra / Wea
【ディスク1】
- Hotel California
- New Kid In Town
- Life In The Fast Lane
- Wasted Time
- Wasted Time (Reprise)
- Victim Of Love
- Pretty Maids All In A Row
- Try And Love Again
- The Last Resort
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Eagles
【ディスク1】
- The Long Run
- I Can't Tell You Why
- In The City
- The Disco Strangler
- King Of Hollywood
- Heartache Tonight
- Those Shoes
- Teenage Jail
- The Greeks Don't Want No Freaks
- The Sad Cafe
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