2015年第34週の帰宅BGMは、Terry Melcherのセカンドソロアルバム『Royal Flush』を聴きました。
Terry Melcherというと、サーフィン/ホット・ロッド・サウンド・ブームの立役者で、The Beach Boysとも親交が深く、また、The Byrdsのファースト、セカンドアルバムをプロデュースし、フォーク・ロック・ブームにも一役買うなど、1960年代のアメリカ西海岸ミュージックには欠かせないプロデューサーの一人ですね。
自身も、後にThe Beach Boysに加入する事になるBruce Johnstonとのコンビを組んで、Bruce & Terry名義でシングルを発売するなど、アーティストとしても活動しています。
Terryの事を色々調べていったのですが、彼は女優Doris Dayの息子なんですね。
また、アメリカ犯罪史上有名な猟奇的殺人事件であるSharon Tate殺人事件が、実は犯人の本当の標的がTerryであり、Sharonは間違えられて殺されてしまった事など、音楽以外でもなかなか話題に事欠かない人物です。
そんな彼が発表したセカンドアルバムですが、テーブルを囲むむさ苦しい男達のジャケットとは裏腹に、イントロの甘いスティール・ギターの音色と、The Beach Boysを思わせる爽やかなバック・コーラスが印象的な「Fire In A Rainstorm」から始まります。
続く「L.A. To Mexico」は、「Fire In A Rainstorm」に似た爽やかな曲ですが、これにさらにトランペットの演奏も加えて、タイトル通りメキシカン・タッチな楽曲になっています。
アルバムは、全体的にカントリー・ロック調なのですが、上で挙げた「L.A. To Mexico」をはじめとして、全10曲中3曲に「メキシコ」という単語が入っているように、メキシカン・タッチ、ラテン調の要素も入った内容になっています。
カントリー・ロックといっても「Down In Mexico」や「So Right Tonight」のように泥臭い感じの曲もあるのですが、Terryのヴォーカル自体が少しトーンが高い声質なので、あまり泥臭さや土臭さを感じさせる内容ではないですね。
Terryのヴォーカルが不安定で弱いので、「Fire In A Rainstorm」や「L.A. To Mexico」、「Freeway Close」のように、バック・コーラスが際立った曲が、やはり聴きものでしょうか。
以前このアルバムでも取り上げましたが、
Gentle Soulの
Pamela Pollandが提供した曲も2曲あり、ジャケットに描かれた人物の裏話だとか、Teryyがそれまで関わってきたアーティストの人脈の広さも知る事が出来るアルバムです。
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テリー・メルチャー
SMJ
【ディスク1】
- ファイアー・イン・ア・レインストーム
- L.A. トゥ・メキシコ
- ハイ・ローラーズ
- ダウン・イン・メキシコ
- テイク・イット・トゥ・メキシコ (タルサ・カウンティ・ブルー)
- フリーウェイ・クローズ
- レベッカ
- ロザリト
- ソー・ライト・トゥナイト
- カード・ゲーム
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