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Moving/Peter, Paul and Mary(1963)
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2015.06.21 Sunday 12:27JUGEMテーマ:音楽
2015年第24週の通勤BGMは、Peter, Paul and Mary(以下PPM)のセカンドアルバム『Moving』を聴きました。
1960年代にアメリカで興ったフォーク・ソング・リバイバル。
当時、数あるアーティストの中でも、PPMは最も成功したグループで、日本でもお馴染みのグループではないでしょうか。
今回聴いたのは、1963年に発表され、全米2位を記録した彼等のセカンドアルバムです。
当時のフォーク・ソング・リバイバルが、公民権運動やベトナム反戦運動など、社会運動と密接にリンクしていた事もあって、このアルバムにも「Gone The Rainbow」のように、反戦の思いを込めた曲が収録されています。
他にも、アップテンポの明るい曲ながら、放浪者の事を歌った冒頭の「Settle Down (Goin' Down That Highway)」など、歌詞の内容はなかなか重いものが多いですね。
一方で、彼等は商業的にも成功したグループだけあって、ヴォーカル・ハーモニーを活かした、ポップ・ミュージックとしての魅力にも溢れいていますね。
「Settle Down (Goin' Down That Highway)」は、後のThe Mamas & the Papasを彷彿させますし、「Puff, The Magic Dragon」は、最近でもビールのCMで使われるなど、耳にした方も多いと思います。
「Pretty Mary」や「Tiny Sparrow」のように、弾き語りのような独唱(控えめなコーラスが加わりますが)もしっとりと聴かせてくれて、音の多い音楽に聴き疲れた耳には、たまにはこういう音楽も優しくていいですね。
ピーター、ポール&マリー
Warner Music Japan =music=
【ディスク1】- セトゥル・ダウン
- 虹と共に消えた恋
- フローラ
- 可愛いマリー
- パフ
- わが祖国
- エジプトに行く男
- オールド・コート
- ちっちゃな雀
- ビッグ・ボート
- モーニング・トレイン
- ア・ソーリン
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Music From Big Pink/The Band(1968)
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2014.09.28 Sunday 13:36JUGEMテーマ:音楽
2014年第35週の通勤BGMは、The Bandのデヴューアルバム『Music From Big Pink』を聴きました。
元々はRonnie HawkinsのバックバンドThe Hawksというアメリカのバンドが母体なのですが、活動していくうちにアメリカ人はドラマーのLevon Helmのみになり、あとのメンバーは全員カナダ人で構成されています。
バンドが、Ronnie Hawkinsのバックバンドの後、Bob Dylanのバックバンドとなり、フォークロックへと転向したDylanを支えた話は有名ですね。
そして1968年に、バンド名をThe Bandと変え、発表したのが本作です。
実は、僕は彼等のアルバムをちゃんと聴くのは今回が初めてなんです。
でも、彼等の作品との接点は結構前で、個人的な思い出は大学4年の就職活動の帰りに、横浜伊勢佐木町のミニシアター関内アカデミーで、彼等の解散コンサートを映画化した『ラスト・ワルツ』を観た事がすごく印象に残っています(お客さんが自分ともう一人の、ほとんど貸し切り状態だったというのも印象に残った理由の一つですが…)。
当時、劇中で流れる「The Weight」を聴いていて、これこそアメリカン・ロックの本来あるべきシンプルな形だと思いましたが、今回本作を聴いてみてやはり改めてそう思いましたね。
本作が作られた1968年というと、サイケデリック・ロックだとか、ハード・ロック、プログレッシブ・ロックなど、正にロックが外へ外へと拡張していく開始時期、ロックにとっては黄金期の始まりでしたが、このアルバムはそういう流れとは真っ向から反する内容です。
アメリカのルーツミュージックであるR&Bやブルーズ、ゴスペル、フォーク、カントリー、そしてロックンロールを、奇をてらう事なく、実に枯れた味わいで演奏する姿勢は、当時Creamで勢いに乗っていたEric Claptonの考えを改めさせたのも分かる気がします。
それにしても、とにかく渋すぎます。当時メンバーは20代だったそうですが、その風貌もメンバーの演奏、ヴォーカルも見事な老けっぷりで、場末の酒場で(農作業など)1日の労働の疲れを酒で癒す労働者、そしてそんな酒場で演奏される音楽のイメージが浮かんでくるようです。
娘に反抗され嘆く父親を歌ったDylan作の「Tears Of Rage」での苦虫を潰したようなRichard Manuelのヴォーカル、シンプルなR&B調の楽曲に、LevonとRick Dankoの渋いヴォーカルが映える名曲「The Weight」、やはりDylanの作品ですが、ピアノの演奏と、Richardのファルセット・ヴォイスによる名唱によって、満点の星空に明日への一筋の希望を抱かせてくれる気持ちにさせてくれるかのような「I Shall be Released」、他にも「To Kingdom Come」、「Long Black Veil」など名曲が多いです。
個人的には「In A Station」や「Lonesome Suzie」もいいなぁと思いました。
収録曲は、Dylanの曲を除けば、大体がRichardとRobbie Robertsonの曲で構成されているのですが、個人的にはRichardの曲が印象に残る曲が多いですね。
映画『ラスト・ワルツ』では、Claptonと派手にギター・バトルをする姿が印象的なRobbieですが、意外にも本作では地味ですね。The Band
Capitol
【ディスク1】- Tears Of Rage (2000 Digital Remaster)
- To Kingdom Come (2000 Digital Remaster)
- In A Station (2000 Digital Remaster)
- Caledonia Mission (2000 Digital Remaster)
- The Weight (2000 Digital Remaster)
- We Can Talk (2000 Digital Remaster)
- Long Black Veil (2000 Digital Remaster)
- Chest Fever (2000 Digital Remaster)
- Lonesome Suzie (2000 Digital Remaster)
- This Wheel's On Fire (2000 Digital Remaster)
- I Shall Be Released (2000 Digital Remaster)
- Yazoo Street Scandal (2000 Digital Remaster)
- Tears Of Rage (Alternate Take) (2000 Digital Remaster)
- Katie's Been Gone (Outtake) (2000 Digital Remaster)
- If I Lose (Outtake) (2000 Digital Remaster)
- Long Distance Operator (Outtake) (2000 Digital Remaster)
- Lonesome Suzie (Alternate Take) (2000 Digital Remaster)
- Orange Juice Blues (Blues For Breakfast)(Outtake Demo) (2000 Digital Remaster)
- Key To The Highway (Outtake) (2000 Digital Remaster)
- Ferdinand The Imposter (Outtake-Demo) (2000 Digital Remaster)
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Happy And Artie Traum(1969), Double-Back(1971)/Happy & Artie Traum
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2012.12.02 Sunday 13:21JUGEMテーマ:音楽
前の記事で、ブログを書いていて思う疑問を書くと書きましたが、その前に、一応週の習慣なので、通勤BGMと帰宅BGMの紹介を…。
2012年第48週の通勤BGMは、Happy & Artie Traumのファーストアルバム『Happy And Artie Traum』と、セカンドアルバム『Double-Back』を聴きました。
2枚のアルバムを1枚のCDに収めた2in1CDです。
Happy & Artie Traumについては、アルバムのライナーノーツを読んだ程度しか情報を知らないのですが、Bob Dylanと同じくニューヨークフォークシーンで活躍したHappyとArtieのTraum兄弟による兄弟デュオで、Dylanが、The Bandの面々と一緒に、ウッドストックで活動を共にしていた時期に、この兄弟もウッドストックに移り住み、Dylan、The Bandと同じマネジメントに所属していたそうです。
この為、ファーストアルバムの『Happy And Artie Traum』には、Rick DankoとRobbie Robertsonの共作による「Going Down To See Bessie」というカヴァー曲も収められており、兄弟とDylan、The Bandとの交流も窺わせる様な部分もあります。
ファーストアルバム『Happy And Artie Traum』は、ナッシュビルでの録音で、フィドル、ドブロ、スティールとカントリーへの志向を感じさせるのですが、そこはやはりニューヨークのフォークシーンで活躍してきた人達ですね。
冒頭の、よろめきながら歩き出すような歌い出しの「Rabbit's Luck」はフォーク調ですし、フィドルをフィーチャーした「Farmers Almanac」もベースになっているのはフォークで、以降に続く曲もフォークがやはりベースになっていて、「Trails Of Jonathan」のように粘っこい曲もあるのですが、カントリー調の曲も土臭さとか、泥臭さというものはそれほど強く感じられません。
カントリーらしさを出すのが上で書いた「Going Down To See Bessie」や「Mama, It's Such A Long Ride Home」で、「Uncle Jedd Say」では、曲後半部にゴスペルコーラスともちょっと違う、ミュージカルのワンシーンのようなコーラスが聴かれますが、そういう部分ではある意味都会的かなと思わせたりします。
このデュオの最大の魅力は、兄弟のリードヴォーカルやコーラスワークで、決して上手いとかソウルフルとかそういうものではないのですが、ちょっと音が外れたようなリードヴォーカルやコーラスは妙に味わいがあり、個人的には、冒頭の「Rabbit's Luck」や「Mama, It's Such A Long Ride Home」、「Misty Dreams」なんかが、ファーストアルバム中のお薦め曲ですね。
ファーストアルバムと比べて評価が高いのがセカンドアルバムの『Double-Back』で、こちらは基本となる録音はウッドストックで行われ、補完的な録音はナッシュビルで行われたようで、彼等の地元に戻ってきたせいなのか、冒頭の「Scavengers」から音的に何だか洗練されたような気がします。
兄弟のコーラスも「Scavengers」、「Confession」とそれなりにキメていて、ファーストではある意味トレードマーク的だった、上手くないけど妙に味のあるちょっと音が外れたようなリードヴォーカルやコーラスが鳴りを潜めてしまって少し残念ですね(「Misuter Movie Man」のように、前作の名残が感じられるコーラスワークもあるにはあるのですが)。
録音メンバーは、前作から引き継いでいる面々もいるのですが、カントリーっぽい曲も「The Ferryman」くらいで、そういう面でも洗練感を増していますね。
このセカンドでの個人的なお薦め曲は、「Jacksboro」と、ピアノやキーボードの演奏をフィーチャーした「The Seagull」、そして最後の「Love Song To A Girl In An Old Photograph」。いずれもフォーク調というか、ちょうどこのセカンド発表時に盛り上がったSSW調ともいう感じの曲ですね。
アルバムの録音には、ファースト、セカンドいずれにもArtieの友人であるEric Kazが参加し、セカンドにはAmos Garrettが参加していますね。
今回聴いた2in1CDは、もう廃盤なのかな?ファースト、セカンドとも別々に売っていますね。評価:
ハッピー・アンド・アーティ・トラウム
ウ゛ィウ゛ィト゛・サウント゛
【ディスク1】- Rabbit's Luck
- Farmer's Almanac
- Going Down To See Bessie
- Mama, It's Such A Long Ride Home
- Misty Dreams
- State Line
- Uncle Jedd Say
- The Hungry Dogs Of New Mexico
- Brave Wolf
- Trails Of Jonathan
- Golden Bird
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The Fifth Avenue Band/The Fifth Avenue Band(1969)
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2008.12.28 Sunday 21:15JUGEMテーマ:音楽
2008年最後の通勤BGMは、The Fifth Avenue Bandが、1969年に残した唯一のアルバム。
「Good Lady Of Toronto」ではカントリー、「Eden Rock」ではボサノヴァ、「Cockeyed Shame」ではブルーズなど一枚のアルバムの中にあらゆるポップ音楽の要素が詰まっていて、本当に何回聴いても飽きない、上質のシティポップだ。
僕はメンバーの中でも、Jon Lindが好きで、その後の彼のHowday MoonやWhite Horseも好きなのだが、このアルバムでは、ホーンセクションが加わったドラマチックな展開の曲「Angel」を提供している。
このグループの核になるのは、曲の提供者を見る限り、Peter GallwayとKenny Altmanだが、個人的にはKenny Altmanのポップセンスに惹かれる。彼の曲と、Jon Lindのヴォーカルは抜群の相性だ。
評価:
フィフス・アヴェニュー・バンド
Warner Music Japan =music=
【ディスク1】- ファースト・フレイト
- ワン・ウェイ・オア・ジ・アザー
- グッド・レイディ・オブ・トロント
- イーデン・ロック
- カントリー・タイム・ライムス
- カラミティ・ジェーン
- ナイス・フォークス
- コックアイド・シェイム
- フェイスフル・ビー・フェアー
- イン・ハリウッド
- エンジェル
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