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The Snake/Harvey Mandel(1972)
JUGEMテーマ:音楽
朝、会社に出勤して、駐車場でハグロトンボという、羽が真っ黒だけど、胴体は金緑色の美しいトンボ見ました(後で調べてこの胴体はオスの特徴だという)。 飛び方も普通のトンボとは違っていて、どちらかというとカゲロウののようにヒラヒラと飛ぶ姿も優雅でした。 何かいい事あるのかなと思ってその日はちょっと朝から気分が良かったのですが、帰り間際に同僚にのろけ事を言われて、1日の最後はガッカリさせられました…。
『The Snake』というアルバムタイトルですが、Whitesnakeのアルバムではありません。 Harvey MandelというCanned Heatにも在籍したギタリストの5枚目のソロアルバムです。
Canned Heatに在籍していたという事で、ブルーズ系のギタリストなのですが、これがビックリのアルバム内容。 6曲目「Uno Ino」を除く全編インストゥルメンタル・アルバムで、ブルーズ系といってもこてこてのブルーズ色の強いアルバムではなく、アーバンなフュージョン色の強いサウンドで、1972年の作品という事を考えれば、Jeff Beckの『Blow By Blow』が1975年の発表なので、滅茶苦茶進んでいる、いや進み過ぎた内容です。 個人的には、3曲目「Lynda Love」と、5曲目のアルバムタイトル曲「The Snake」、それに最後の「Bite The Electric Eel」がお薦め。
しかもこのMandelという人物、1971年に発表した前作の4枚目のアルバム『Baby Batter』もインスト・アルバムだったというから、どれだけ進んだ人なのかという感じです。 Canned Heat自体、日本では今一つ人気がないですし、そこに短い期間在籍していたとなるとさらに知名度の低いギタリストになってしまいますが、年代やサウンドを考えれば、今一度再評価されてもいいギタリストかと思います。
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The Amboy Dukes/The Amboy Dukes(1968)
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既に6月に入り、梅雨入りもしていますが、今年の5月は本当に長く感じたなぁ…と。
ロック・ミュージシャンに限らずアーティストって、どちらかというとリベラルなイメージが付きまといますが、Ted Nugentという人は、その全く対極にある人で、ゴリゴリの保守派です…。 とずっと思っていましたが、ウィキペディアを見たら、そのTedがインチキな方法で軍の召集回避をしていたとか…。
そのTedが1960年代後半から70年代中頃まで、メンバーとして活動していたデトロイトのガレージ・サイケ・バンドです。
ガレージ・サイケとはいうものの、完成度も高くて、しっかりと演奏、歌っており、Creamも歌った「I Feel Free」をカヴァーしているところからも、ブリティッシュ・ビートに強く影響を受けたビート・バンドという感じですね。 「Baby, Please Don't Go」や「I Feel Free」、「Colors」といった、カヴァー曲も含めてブルーズ調の曲が多いですが、「Psalms of Aftermath」や「The Lovely Lady」のようなメロウでポップな曲もなかなか上手いですね。
それにしてもTedのバリバリと弾きまくるギターが突出しており、既に野獣の片鱗が表れています。
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Banchee/Banchee(1969)
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昨年末から活況に湧いていたトランプ相場も、トランプ氏の保護主義的な姿勢に、一気にトーンダウンしましたね。
2017年第2週の通勤BGMは、Bancheeのファーストアルバム『Banchee』を聴きました。
Bancheeは、ラテン系アメリカ人のメンバーで構成された、アメリカ東海岸(ボストン出身らしい)のハード・ロック・バンドです。
このBanchee、ハード・ロック・バンドと紹介されてはいるものの、このファーストアルバムを聴く限りでは、ヴォーカルがシャウトするような場面もなく、冒頭曲「The Night Is Calling」は、アコギによるイントロ。 しかもバックコーラスも含めて流麗に歌い、コーラスワークもしっかりしているので、その音楽性は、カントリーやCSN&Yに例えられている記述も見受けられます。 ただ、いかにもアメリカらしい感じもなく、どちらかというとブリティッシュ系というかヨーロッパっぽい面も感じられ、そこは東海岸のバンドたる所以なのでしょうか? 4曲目の「Follow A Dream」でも、そんな面を感じますね。
2曲目の「Train Of Life」以降は、エレキギターも前面に出てきて、それなりに弾きまくっているのですが、滑らかさはさらに増していき、やはりハード・ロックと呼ぶには厳しいですね。相変わらずバックコーラスも含め、よく歌います。
メンバーがラテン系アメリカ人だと上で書きましたが、ブルーズ臭は低く、ブルーズ調の5曲目「Beautiful Day」も、どちらかというとマカロニ・ウェスタン的な哀愁が溢れています。 プログレではないのですが、ドラマチックな曲展開するところも聴かせますね。
レコードではB面1曲目に相当する6曲目「Evolmia」は、少しソフト・ロックっぽいところも感じさせます。
結局、一番ハード・ロック的な曲は、「I Just Don't Know」ぐらいのものなのですが、強烈なインパクトはないものの、このアルバムは、メロディアスな曲も多く、コーラスワークも上手いし、これはこれで個人的にはありかなと思います。
セカンドアルバムは、もっとハード・ロックらしくなるようなので、期待ですね(という事は、セカンドアルバムも近いうちに取り上げる予定です)。
(収録曲) 1.The Night Is Calling 2.Train Of Life 3.As Me Thinks 4.Follow A Dream 5.Beautifully Day 6.Evolmia 7.I Just Don't Know 8.Hands Of A Clock 9.Tom's Island |
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Kick Out The Jams/MC5(1969)
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先週、第3回全日本フォーク・ジャンボリーの事を書き、その中で三上寛の事をパンクだと書きましたが、そんな事を書いていたら何となくパンク的な音楽を聴いてみたくなりました。
パンクというと、多くの人が真っ先に思い浮かぶのは、やはりSex Pistolsだと思うのですが、僕はこのバンド、駄目なんですよねぇ。 およそ様式美メタルとは対極的な存在にも関わらず、何故か『BURRN!』でたまに名前を見かけるので、その度に不思議に思っているのですが、僕が駄目な理由は、軽いというか、締まりがないというか、鋭角的な扇動感みたいなものも感じないんですよね。 別にこのバンドに限らないけど、その破天荒なストーリーから、伝説的な存在になってしまうと、過大評価されている部分が少なからずあると思うのですが…。
で、結局僕は、何かパンク系は駄目だなぁ…と思って、今回聴いたMC5も、レンタルで1回聴いたきりで素通りしてしまっていたのですが、たまたまブックオフの500円棚で見つけたので、これも1960年代アメリカン・ハード・ロックの一つだし、ちゃんと通らなければいけないよな(!?)と思い、入手していたのを聴いてみた次第です。
という事で、2016年第27週の通勤BGMは、MC5のデヴュー・アルバム『Kick Out The Jams』を聴きました。
MC5は、アメリカ・デトロイトを拠点に1960年代後半から1972年にかけて活動していたガレージ・バンドで、たった3枚のアルバムを残さなかったにも関わらず、後のパンク、へヴィ・メタル、グランジ・オルタナティブ・ロックに大きな影響を残しており、彼等の曲をカヴァーした後輩バンドも数多くいます。
今回聴いたのは、彼等のデヴュー・アルバムにして、ライヴ・アルバムでもあった作品。 レンタルで1回聴いたきりで素通りしていましたが、改めて聴いてみると、これがなかなかいいですね(苦笑)。 テクニカルとか、へヴィというほどの重量感はありませんが、サイケ感すら感 じさせる歪んだ2本のギターをはじめとした荒々しい演奏と、観客を煽る扇動的なヴォーカル。 「Ramblin' Rose」から「Rocket Reducer N. 62 (Rama Lama Fa Fa Fa)」までは、単純なロックンロール調の曲なのですが、「Ramblin' Rose」と「Rocket Reducer N. 62 (Rama Lama Fa Fa Fa)」は、ブルーズっぽい面も聴かせてくれます。 「Borderline」なんかは、スラッシュ・メタルを思わせる速い曲。 「Motor City Is Burning」からはブルージー調で、彼等もやはり1960年代のバンド、ルーツ・ミュージックが根っこにあるバンドなんだなと感じさせます。 最後の「Starship」は、東海岸のThe Doorsですね。これは観客も興奮します。
本作は、Elektraから発売されましたが、元々過激な政治的発言が多かったバンドで、このアルバムでも2曲目の冒頭で卑語を叫んでいたのを問題視したElektra側が急遽その部分だけ音源を差し替えたという事も話題の一つです(現在のCDでは、その部分は元に戻されています)。 この件によりバンドはElektraとは袂を分かち、その後の2枚のアルバムはAtlanticから発売しています。
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Yesterday's Children/Yesterday's Children(1969)
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今週から、また通勤BGMに1アルバム、帰宅BGMに1アルバム体制に戻ります。 2016年第22週の通勤BGMは、Yesterday's Childrenの『Yesterday's Children』を聴きました。 アメリカ・コネチカット州出身の、へヴィ・サイケ・バンドの唯一作です。 メンバーは、ギタリスト2人の6人編成。うち1人の担当が、「Lgiht & Sound」という事なのですが、何の担当なんだろう…? ヴォーカルとギターの一人は兄弟なのかな?ヴォーカルは一人なのですが、「Evil Woman」を聴く限り、ヴァーカルを担当しているのは2人いるような感じがします。 「What Of I」と「Evil Woman」を除けば、ほとんどがオリジナル曲なのですが、「Providence Bummer」のように、どこかの有名ブルーズ・ナンバーとそっくりの曲もあるところは笑わせます。パクリとか、あまりうるさい事が言われない、いい時代だったんでしょう(苦笑)。 「What Of I」を除いて、収録曲は全てへヴィ・ブルーズ・ロックで、冒頭の「Paranoia」からヴォーカルのシャウト、ギターの轟音、重いドラム等々と、こちらの期待以上のぶっ飛び感で、数あるアメリカン・へヴィ・サイケの中でも5指に入れてもいい位、上位に位置するアルバムじゃないでしょうか。 唯一ポップでライトな「What Of I」は、ハーモニーも決める位それなりに爽やかな曲なのですが、続く「She's Easy」はそれとは対照的な重量感で、この両極端な一面が結構たまらないものがあります。 「Evil Woman」も、狂気なヴォーカルを聴く事が出来、へヴィな曲です。 スローに盛り上げる曲やライトな楽曲の後には、異常にへヴィなナンバーや疾走するナンバーを持ってくるなど、聴かせ所のツボも心得ており、アルバム1枚で終わった事が惜しいバンドです。 (収録曲) 1.Yesterday's Children 2.Sad Born Loser 3.What Of I 4.She's Easy 5.Sailing 6.Providence Bummer 7.Evil Woman 8.Hunter's Moon |
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Steppenwolf the Second/Steppenwolf(1968)
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2015年第44週の通勤BGMはSteppenwolfのセカンド・アルバム『Steppenwolf the Second』を聴きました。 Steppenwolfというと、日本ではとかく大ヒットを記録した「Born To Be Wild」での知名度ばかりが独り歩きし、それ以外の曲やアルバムはあまり話題になりませんが、1971年の活動停止までに、ライヴアルバム2枚を含めて、実に8枚のアルバムを発表し、そのほとんどがゴールドディスクに認定されているほどのバンドです。 今回聴いたセカンド・アルバムは、ファーストよりも完成度が高く、バンドの成長が窺える作品ですね。 ブルージーな「Tighten Up Your Wig」や「Don't Step On The Grass, Sam」、「Disappointment Number (Unknown)」などの曲では、黒っぽく渋い魅力を前面に押し出していますし、ポップな「None Of Your Doing」や「28」では、メロディアスなロックンロールを展開し、ハーモニーもなかなかキメる部分もあります。 マイルドな「Spiritual Fantasy」では、ストリングスをバックに使い、これまでと違った一面を見せてくれます。 アルバムの最大の聴き所は、「Disappointment Number (Unknown)」から「Resurrection」までの流れ。 ジャム・セッション風に続けて長尺的に展開していくその様は、バンドの演奏力の高さを感じさせ、飽きさせません。 サイケなビート・バンドから、1歩も2歩も踏み込んだ、意欲的なアルバムです。
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Fuse/Fuse(1968)
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2015年第35週の帰宅BGMは、Fuseの唯一のアルバム『Fuse』を聴きました。 Fuseは、後にCheap Trickを結成する事になるRick NielsenとTom Petersonがメンバーだった事を知る人ぞ知る、マニアックなバンドです。 アメリカン・ハード・ロックのムック本でその存在を知り、以前から聴きたいと思っていましたが、たまたまディスク・ユニオンで発見し、少々ジャケットの縁が古くて黄ばんでいましたが、安価だったので迷わず購入しました。 聴いてみると、実に興味深い内容でした。 アルバム冒頭の曲「Across The Skies」こそ軽いタッチの曲なのですが、2曲目「Permanent Resident」以降は、激しい曲が中心となります。 ハード・ロックといっても、「4/4 3/4」を除けば、ブルーズ・フィーリングのある曲ではなく、「Show Me」や「Mystery Ship」などは、Rick Nielsenが操るオルガンやメロトロンをフィーチャしたへヴィ・ロック(このバンドでは、Rick Nielsenはサイドギター、オルガン、メロトロンを担当)。 「Permanent Resident」や「To Your Health」は、曲の途中で転調もある為、70年代的に言えばプログレ・ハードといった印象。 このアルバムが発表された60年代末期的な観点から見れば、初期Deep Purpleのようなアート・ロック、へヴィ・サイケという感じです。 しっかりとした演奏は聴き応えがあり、特に4曲目「To Your Health」はインスト曲で、メロトロンを大々的に使っており、あのKing Crimsonよりも1年早くアルバムで使用している点でも、かなりの先進性が窺える内容です。 バンドメンバーは、Rick Nielsenを除けば、他は全員10代だったというのも驚きで、特にヴォーカルのJoe Sundbergは、この歌いっぷりにも関わらずまだ17歳だったというから、その声質の老けっぷりというか(苦笑)、大物ぶりに舌を巻きます。 All Musicで調べてみましたが、Joe Sundbergは、その後は目立った音楽活動はしてないようですね。このヴォーカルなら、その後大成する事も出来たでしょう。 Fuseは、結局この1枚きりで終わってしまいましたが、Vanilla Fudgeなどと同列に扱われていれば、かなり成功を収める事も出来たんじゃないかなと思える内容です。
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Early Steppenwolf/Steppenwolf(1969)
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2015年第29週の帰宅BGMは、Steppenwolfのライヴアルバム『Early Steppenwolf』を聴きました。 Steppenwolfの4枚目のアルバムとして発売された本作ですが、音源自体は、彼等がデヴューアルバムを発表する1968年の前年、1967年にサンフランシスコで行われたライヴ音源が基になっており、実はSteppenwolfの前身となったバンド、The Sparrowsのライヴ音源です。 前身バンドとはいえ、Steppenwolfのデヴューアルバムアルバムに収録されていた「The Pusher」も演奏しているところが、本作の売りですね。 Willie Dixonの「Howlin' For My Baby」や、John Lee Hookerの「Goin' Upstairs」といったカヴァーが演奏されているところは、いかにもこの時代のハード・ロック・バンドらしいです。 また注目の「The Pusher」ですが、圧巻の21分にも及ぶ収録時間で、映画『イージー・ライダー』で使われた同曲からは想像もつかないような演奏内容なのですが、やはりいかにもこの時代のシスコのバンドらしく、サイケデリックな演奏内容が特徴的です。 「Born to Be Wild」ばかりが注目され、1発屋的なイメージもある彼等ですが、1972年の解散までに、今回聴いたアルバムも含めて8枚のアルバムを発表しており、ほとんどのアルバムがゴールド・ディスクで、華々しい成果も残しているんですよね。 初期のアメリカン・ハード・ロックを代表するバンドとして、注目していきたいバンドの一つです。
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Clear Light/Clear Light(1967)
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まだ5月ですが、本格的な暑さはまだとはいえ、夏並に蒸し暑くなり、台風も来ましたね。 2015年第19週の通勤BGMは、Clear Lightの唯一のアルバム『Clear Light』を聴きました。 フランスに同名のプログレッシヴ・ロック・バンドがいるようですが、今回聴いたのは、アメリカLAのサイケ・バンドが残した唯一のアルバムです。 アメリカン・ハード・ロックのムック本ではハード・ロック・バンドとして紹介されていましたが、どうなんでしょう? 確かにファズ・ギターはよく走っているし、「Street Singer」のように異様にへヴィな曲もありますが、冒頭の軽快な「Black Rose」をはじめとして、収録曲の大半はビートの効いたフォーク・ロックやポップな曲です。 特に「A Child's Smile」や「The Ballad Of Freddy & Larry」辺りの曲を聴いていると、ちょうど同じ頃人気のあったThe Turtlesを思い出します。 プロデューサーは、The Doorsのアルバムでもお馴染みのPaul A. Rothchild。 Rothchildのこのバンドに対する力の入れ様は半端じゃなく、マネージャーも兼ねていた様で、メンバーの人選にも口を出す有様だったようです。 だからというわけではありませんが、唯一のアルバムとはいえ、収録している楽曲自体は、オリジナリティに今一つ欠けますが、どれも70点以上の出来だと思います。 バンド自体は、ほとんど無名に近い存在ですが、プロデューサーが上記のRothchildだった事に加え、メンバーには、後にCS&N(CSN&Y)やManassas等のメンバーとなるDallas Taylorや、Joe Mama等に参加するRalph Schukettがいた事に加え、ファースト・アルバム発売後、ウェスト・コースト・ロックには欠かせないスタジオ・ミュージシャンとなる、ギタリストのDanny Korchmarが、ファースト・アルバム発表後、メンバーに加わっているなど、驚きの事実も多いバンドです。 (収録曲) 1.Black Rose 2.Sand 3.A Child's Smile 4.Street Singer 5.The Ballad Of Freddy & Larry 6.Mr Blue 7.Think Again 8.They Who Have Nothing 9.How Many Days Have Passed 10.Night Sounds Loud |
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Rock & Roll/Vanilla Fudge(1969)
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2015年第10週の通勤BGMは、Vanilla Fudgeのラストアルバム『Rock & Roll』を聴きました。 前作『Near The Beginning』発表後、バンドはJeff Beckと共演する機会を得ます。Tim Bogert(ベース)とCarmine Appice(ドラム)の二人は、その後Jeff Beckからアプローチを受け、一度はバンド結成の機会を逃したものの、後にBeck, Bogert & Appiceを結成するまでに到りますが、本作制作中は、既にJeff Beckとのバンドを思い描いていた頃でしょうか。 ハード&へヴィでヴォーカルがシャウトする「Need Love」や、直球型のハード・ロック「Street Walking Woman」も目立つ本アルバムですが、そんな単純なハード・ロックよりも、やはりゴスペルを彷彿させるコーラスを聴かせる「Lord In The Country」のような楽曲が、彼等の真骨頂の一部を堪能出来る楽曲でしょう。 「Church Bells Of St. Martins」は、黒人ミュージシャンのようなソウル、ゴスペルのハーモニーにバロック音楽のようなシンフォニック・ロックを融合した、「You Keep Me Hanging On」のカヴァーをヒットさせた彼等らしい一曲。 「The Windmills Of Your Mind」は、スティーブ・マックイーン、フェイ・ダナウェイが出演した映画『華麗なる賭け』の主題歌をカヴァーしたもの。 オリジナルはNoel Harrisonが歌うテンポの早い楽曲でしたが、このVanilla Fudgeのカヴァーは、メロウでセンチメンタル、艶やかにカヴァーしており、何やらフランス映画を観ているような気にさえさせてくれます。 ファーストアルバムばかりが取り上げられ、特にこのアルバムは、Vanilla Fudgeのアルバム中でもあまり見向きもされないアルバムですが、ファースト以降のアルバムもチャートアクションは悪くなく、このアルバムもTop200位中34位を記録しています。
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